【東京都ソーシャルファーム認証店】働く人にとっても優しいカフェ

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社会福祉法人つくしの郷

福祉 非公開

《ソーシャルファームに挑戦するキッカケ》

社会福祉法人つくしの郷では、障害者の就労の機会を広げるため、ジェラート&カフェのお店「あまーのあまーの北千住」を運営しています。障害当事者が街の中で「つながる」ことを大切にしているこのカフェは、専門的な支援を受けながら働くことができる「東京都認証ソーシャルファーム」の事業所に認定されています。

※「ソーシャルファーム」
就労に困難を抱える方が働く、企業の一つの形であり、一般的な企業と同様に自律的な経営を行いながら、就労に困難を抱える方が、必要なサポートを受け、他の従業員と共に働いている社会的企業のこと
を示す。

※「東京都認証ソーシャルファーム」
令和元年12月に全国初のソーシャルファームの創設の促進等に関する条例を制定。
条例に基づき設定した認証基準に適合していると都が確認した事業所のことを示す。
令和3年3月、初めて東京都認証ソーシャルファームが誕生した。

 

《一緒に働く仲間について》
カフェのスタッフとして、精神疾患を有する方3名と、難病の方1名が調理や接客を担当しています。出勤が難しい難病の方には、自宅から分身ロボットOriHimeを遠隔操作してフロアで接客をするという新しい働き方を導入しています。スタッフを採用する際、求人情報誌に情報を掲載したところ、応募が殺到したそうです。
店長さん曰く「スタッフの皆さんは、体調さえ整えば他の人たちと何も変わりません。どんなハンディキャップを抱えているのか、わからないほどしっかりと活躍してくださる戦力です。皆さんがこれまで抱えてきたハンディについて周囲に理解を得られなかったため、家に引きこもらざるを得なかったということに驚きました。」働きたいと思っている方や、高い能力を持っている方がたくさんいることを実感したそうです。

 

《店舗内でのOriHimeの活用方法について》
接客を担当するちふゆさんは、慢性疲労症候群という難病を抱えています。病気を発症して以来、働きたくても出勤できず、一日中自宅で過ごしていました。「社会から隔絶されていると感じたこともありました」と振り返ります。その問題を解決してくれたのが、自宅にいながら分身ロボットOriHimeを遠隔操作して接客をする新しい働き方でした。採用が決まってから、慢性疲労症候群に関する本を取り寄せ、スタッフ間で病気への理解を深めようとしてくれたりと、職場の人間関係の心地よさも大きな魅力だと言います。「皆、本当に温かくて、分身ロボットでできることを提案してくれたり、一緒に新しいメニューを考えたり仲間にしてもらえているという感覚は、すごくあります。」

 

《今後の展望について》
ソーシャルファームの特徴の一つは、社会的な取り組みを行いながら、行政の補助金に頼らず、事業からの収入で経営を成り立たせる「自律的経営」です。自律的経営を目指す以上、社会的な取り組みを行うからといって甘えは許されないと考えています。そのため、カフェの運営にあたっては事業計画を作成し、毎日売上を確認して分析しています。また、分析結果は新メニューの開発や広報活動に反映させるなど、スタッフとともに工夫を重ねています。ソーシャルファームとして運営するカフェを通じて、スタッフとして働く人々はもちろん、より多くの障害のある人たちが、さまざまな意味で活躍できるような店にしていきたいと考えています。

HP:https://amanoamano.jp/

 

 

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