
埼玉県
非公開埼玉県では、障害者の多様な働き方を県民や企業に広く周知し、障害者の就労機会の拡大につなげることを目的に、令和4年度から令和6年度まで分身ロボット「OriHime (オリヒメ)」を活用した就労支援に取り組みました。令和6年度は、久喜市の土屋小児病院にご協力いただき、分身ロボットOriHimeを通じた障害者の就労支援を実施しました。
【実施内容】
パイロットとして参加したのは、障害のある方や24時間のケアが必要なご家族を抱える方など、外出が困難な9名の方々でした。彼らは毎週火・木・金曜日の週3回、午前と午後にそれぞれ30分ずつ、入れ替わり制で活動を行いました。活動は、自宅などの遠隔地からパソコンなどを使い、院内に設置された分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を操作しての遠隔就労という形で実施されました。
《具体的な活動内容》
・病児保育室「つりーはうす」での、満6カ月~小学校6年生までの利用児童の遊び相手
・プレイルームでの、入院している同年齢の児童の遊び相手
・個室病室での、入院児童の遊び相手
参加した9名のパイロットの中には、小さなお子さんを育てている母親や、元幼稚園教諭といった、子どもとの関わりに慣れている方も含まれていました。最初はロボットの姿に驚き、怖がる子どももいましたが、パイロットたちのやさしい語り口や対応により、次第に子どもたちも心を開いていきました。ログアウトの時間になると、「まだOriHimeさんと遊びたい!」と名残惜しむ声も聞かれ、なかにはパイロット宛てに手紙を書いてくれる子どももいました。
【遠隔就労に参加したバイロットの感想】
お子さんたちが自分で描いたイラストを見せてくれたり、最近ハマっていることについて楽しそうに話してくれる時間は、私にとっても毎回の楽しみでした。見た目はロボットである私に対して、「OriHimeパイロットに見てほしい」「話したい」と思ってくれたことが、本当にうれしく、深く心に残っています。好きなことを共有してくれるほど、OriHimeパイロットとの会話を楽しみにしてくれていたのだと感じた瞬間、遠隔でも心がつながっていること、そしてこの取り組みに関われていることへのやりがいを強く実感しました。また、いつも遊びに来てくれる女の子は、OriHimeとの時間をとても楽しみにしてくれていたようで、ログインした瞬間、画面越しに頬ずりをしたり、ハグで愛情を表現してくれました。ロボット越しではありますが、温かい気持ちがまっすぐ伝わってきて、とても心があたたかくなる経験でした。
【埼玉県担当者の感想】
埼玉県では、オリィ研究所様に御協力をいただき、令和4年から令和6年まで、土屋小児病院での入院患者等対応業務の他、埼玉しごとセンターでの窓口業務や高齢者デイサービス施設での利用者対応業務において、 OriHimeを活用した障害者の就労機会拡大に取り組みました。今回の取組を通して、 OriHimeを活用することで、外出が困難な障害者の方々にも様々な就労の可能性があると実感しました。今後も、引き続き障害者の就労支援に取組み、障害者の方々が活躍できる社会の実現に努めてまいります。