イベント

中外製薬DX部署の皆さまが分身ロボットカフェを体験

2025年10月21日、中外製薬株式会社のDX部署に所属する社員の皆さまに、分身ロボットカフェをご利用いただきました。当日は、オリィ研究所CVO・吉藤による講演会に加え、OriHimeパイロットによる接客体験を実施しました。

【吉藤による講演会】


講演では、OriHimeの開発に至った経緯や分身ロボットカフェ設立の背景についてお話ししました。オリィ研究所が掲げる理念「孤独の解消」を目指して行っている様々な事業や、目指している未来・社会についても説明させていただきました。

【質疑応答】

「パイロット」という言葉の由来についての質問が挙げられ、吉藤より「入院中にOriHimeを使って勉強していた子どもが、退院後に『僕、入院中にパイロットになったよ!』と友達に誇らしげに語ったことがきっかけ」と回答。質疑応答ではそれ以外にも多くの質問が寄せられました。

分身ロボットカフェ体験

講演後には、OriHimeパイロットによる接客を体験いただきました。
パイロットがOriHimeで仕事をするようになったきっかけや挑戦していることなど、たくさんの質問が寄せられ、和やかな雰囲気で会話が弾んでいる様子でした。
体験終了後には「寝たきりなどの当事者の方と普段話す機会がないが、自分の想像していないような部分で不便さを感じていることを学んだ」という感想が語られました。

参加者の感想

アンケートでは多くの感想が寄せられました。一部を抜粋してご紹介します。

  • デジタルは改めて手段なんだということを感じさせられました。
  • 想い、行動力、発想力、すべてがすごかったです。とにかく圧倒されました。自分が何を成し遂げたいのかを考えさせられました。
  • 原稿用紙数枚に渡って感想が書けそうなくらい多角的な気づきがあり、感心させられました。頭脳労働はAIに代替されても関係性労働は残り続けるという話に共感した。
  • 1時間程度とは思えない、濃密な内容をお聞きすることができたため。濃い内容の中でもわかりやすい、感動的なエピソードも多く、引き込まれる時間だった。 (のちにプレゼンがうまいのではなく、たくさんの準備に裏付けされたパフォーマンス、というnoteも拝見し、さらに感銘を受けた)
  • まず遠方のご自宅にいらっしゃる方と話す、ということは普段からオンラインで実施しているのに、ロボット越しにお話するだけで、全く違った体験になるということに感銘を受けた。また対話してくださったパイロットの方が、非常に会話上手であるのに加えて、就労に関する課題点等をまとめてくださっており、不便に直面している当事者の方のご意見をうかがえる貴重な機会だった。

オリィ研究所はこのような講演会や分身ロボットカフェ体験等の取り組みを通じて、今後も移動困難者の選択肢を豊かにし、社会にある障壁を取り除く活動に尽力してまいります。

【アート鑑賞】分身ロボット「OriHime」とまわる鑑賞ツアー

アール・ブリュット2024巡回展「抽象のラビリンス ―夢みる色と形―」会場
画像:東京都渋谷公園通りギャラリー

【導入背景】
東京都渋谷公園通りギャラリーでは、2023年度からアール・ブリュット巡回展会期中の関連イベントとして、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を活用しています。近年、誰もが文化や芸術に触れられる機会をつくることの重要性が高まっていますが、移動や外出に困難を抱える方々にとっては、美術館やギャラリーでの体験が制限されがちです。そのような中、「OriHime」を活用することで、身体的な制約にかかわらず、まるで会場にいるかのように展覧会を鑑賞し、他の来場者やスタッフと交流できる新しい芸術体験を提供しています。

 

【過去のイベントの様子】
過去の会期中にも分身ロボット「OriHime」を利用し、遠隔参加者と展覧会会場をつないで鑑賞プログラムを実施しました。
ファシリテーターの案内により、様々な理由で外出が困難な方や遠方にお住まいの方にはご自宅から「OriHime」を遠隔操作していただき、会場参加者と共に作品を鑑賞。「OriHime」を囲みながらグループで会場を巡り、気づきや感想を語り合うことで、和やかな対話が生まれました。「OriHime」の存在によって、どうにか伝えたい、受け取りたいという気持ちが湧き上がり、コミュニケーションが活発になる様子もありました。オンラインを通した情報伝達につきものの「手ごたえの感じにくさ」を克服しうる鑑賞の機会となりました。
また、都内の障害者支援施設2か所を対象に「OriHime」を介した鑑賞も実施。施設職員の協力のもと、利用者の方が感想を伝えたり、ギャラリーの雰囲気や窓辺からの景色を感じ取ったりする様子がありました。

 

【今後に向けて】
本取り組みを通じ、鑑賞のあり方やアートの楽しみ方をさらに多様に広げていきます。
どなたにとっても参加しやすい鑑賞プログラムの充実を目指し、テクノロジーなども取り入れた様々なプログラムを展開していきたいと考えています。

 

【お知らせ】

アール・ブリュット2025巡回展「既知との遭遇 自伝的ブリコラージュの世界へようこそ!」

・第1会場:東京都渋谷公園通りギャラリー
・会期:2025年9月27日(土)― 12月21日(日)

開館時間:11:00~19:00
休館日:月曜日(ただし10/13、11/3、11/24は開館)、10/14、11/4、11/25

入場無料 https://inclusion-art.jp/s/bricolage

 

分身ロボット「OriHime」とまわる鑑賞ツアー ※事前申込制/抽選

・日時:2025年11月30日(日)
1回目 14:00~15:00
2回目 16:30~17:30

定員:各回4名(OriHime遠隔参加1名+会場参加3名)

詳細はこちらから https://inclusion-art.jp/archive/event/2025/20251130-334.html

ほか、

・第2会場:プリモホールゆとろぎ(羽村市生涯学習センター)
会期:2026年1月15日(木)― 1月25日(日)

・第3会場:板橋区立成増アートギャラリー
会期:2026年1月31日(土)― 2月9日(月)

【高知県】分身ロボットで落語鑑賞~だれでもが参加できる「よさこい高知文化祭2026」に向けて開催準備中~

【イベントの概要】
高知出身の落語家2名が中心となって高知県民文化ホールで開催された「高知落語会」。
普段はなかなか現地に参加が難しい特別支援学校の生徒さんが分身ロボットOriHimeを利用して鑑賞しました。

 

【導入背景】

高知県で2026年秋に開催される「よさこい高知文化祭2026」は、第41回国民文化祭と第26回全国障害者芸術・文化祭の統一名称です。病気や障害、あるいは距離の問題など様々な事情で参加が難しい人にも文化祭に参加して楽しんでもらいたいと、本年は様々なトライアルを実施しています。今回は普段はなかなか参加が難しい特別支援学校の生徒さんに分身ロボットOriHimeを利用して鑑賞してもらうことで、落語に興味を持ってもらうとともに様々な参加の形があることを知ってもらうことが目的です。特別支援学校の生徒さんは、落語を聞きながら会場の方と一緒に分身ロボットOriHimeで拍手をしていました。
鑑賞後には、
「落語はテレビで見たことはあるが、深く見たことはなかった。見てみたら面白かった。(分身ロボットOriHimeの)操作がチョー楽しかった。外出できない人もあきらめてほしくない。」と感想を話してくれました。

 

【今後に向けて(今後の抱負)】
病気や障害の有無や距離に関係なく参加できる「よさこい高知文化祭2026」として、来年の本番(2026年10月25日~12月6日)には240を超えるイベントを企画しており、その中で分身ロボットOriHimeには県内各地のホールでの芸術鑑賞や各種イベントへの参加を考えているほか、会場での受付や案内などの仕事についても検討しています。

よさこい高知文化祭2026
https://yosakoi-kochi-bunkasai2026.pref.kochi.lg.jp/