テレワーク

子どもたちの瞳が輝いた日──monaca1周年イベントでOriHime読み聞かせを実施

2026年1月25日、栃木県真岡市の複合交流拠点施設「monaca」にて、分身ロボットOriHimeを活用した読み聞かせ・交流企画が行われました。

本取り組みは、monaca開館1周年記念事業の一環として実施されたものです。来場者と遠隔地をつなぐ新しいコミュニケーションの可能性を探る試みとして、OriHimeが活用されました。

市民の居場所を目指す複合施設「monaca」

真岡市複合交流拠点施設monacaは、「遊ぶ・学ぶ・にぎわう」をテーマに、図書館、子育て支援センター、屋内外こども広場、地域交流センターを備えた複合施設です。

こどもから高齢者まで多世代が集い、市民一人ひとりに新たな学びと発見の場を提供する“サードプレイス”として、地域のつながりを育むことを目指しています。

今回の1周年事業では、来館者同士だけでなく、場所を超えた交流を生み出す取り組みとして、OriHimeの導入を決定しました。

OriHime導入の背景にあった思い

1周年事業のコンセプトは「わたしの未来、つながるmonaca」。

その実現に向けて次のような目的のもと、OriHimeが活用されました。

・市民コンシェルジュの活動として、パイロットとの交流を通じて自分たちのmonacaの魅力を発信すること
・真岡から遠く離れた場所にいるOriHimeパイロットとも交流できる環境をつくること
・距離を越えたつながりを生み、コミュニケーションの広がりを体感してもらうこと
・真岡の良さや施設の魅力を、より多くの人に届けること

会場に生まれた、双方向のコミュニケーション

イベント当日、オリィ研究所公認パイロット3名が遠隔からOriHimeを操作し、館内案内のトークセッション、子どもたちとの交流、絵本の読み聞かせを実施しました。

市民コンシェルジュとして参加した小中高校生が施設を案内し、それに応じてパイロットが質問を重ねることで、会場には自然な対話の輪が広がっていきました。

来場した子どもたちからは「声が聞こえる!」「手が動く!」といった驚きの声も上がり、OriHimeの向こう側にいる“人の存在”が、しっかりと伝わっていました。

統括責任者の久保田有紀様は、当日の印象をこう振り返ります。

名前

OriHimeと出会った瞬間、子どもたちの笑顔と、きらきらと輝く瞳がとても印象的でした。その場にいた私自身も、OriHimeを通して誰かとつながれたという喜びを確かに感じました。ロボットであるはずなのに、ふと「目が合っている」と感じる瞬間がある。人の温度がそこにはあったと思います。

 


読み聞かせの現場で生まれた前向きな変化

絵本の読み聞かせを担当した図書館スタッフの伊藤洋子様は、本番まで強い緊張を感じていたと振り返ります。

進行面への不安やOriHimeとの連携への戸惑いもあったものの、子どもたちの反応を受け取るうちに、自然と楽しさが勝っていったといいます。

名前

貴重な体験をさせていただいて本当に私は幸せ者だと感じました。不安で当日まではドキドキでしたが、始まってしまって本を読み始めたらとっても楽しくて。またぜひこの様なイベントに参加してみたいと思いました。

 

イベント終了後には、参加者やスタッフからも前向きな声が多く聞かれ、会場には心地よい余韻が残りました。

“そこに人がいる”と感じた瞬間

会場では、子どもたちがパイロットに自然に話しかけ、やり取りを楽しむ姿が多く見られました。地域交流センタースタッフの渡部真子様は、当日の様子を次のように語ります。

名前

子ども達がパイロットさんと楽しそうにお話している姿がとても印象的でした。最初は緊張した様子でしたが、パイロットさんとお話しするうちに緊張がほぐれ、「とても楽しかった!」と話してくれました。OriHimeを通じて、心に残る思い出になりました。

 

子どもたちに生まれた、小さな挑戦

今回のイベントでは、OriHimeとの対面を楽しみに、自宅で紙製のOriHimeを作り、事前に案内の練習を重ねてきた小学生コンシェルジュも参加していました。

地域交流センター責任者の林大輔様は、その姿が強く印象に残っていると話します。

名前

当日は、本物のOriHimeさんに説明するということで緊張していたそうです。ご案内が終わったあと、とてもホッとした表情をしていたのが印象的でした。展示しているOriHimeを目を輝かせながら見ている子どもたちもいて、真岡のたくさんの子どもたちに、夢と希望を与えてくださったと思っています。

今後の活用にも広がる可能性

OriHimeは、病気や障害、距離などの理由で移動困難な人でも、遠隔から社会と関わることを可能にする分身ロボットです。

今回のmonacaでの取り組みでは、来場者は特別な体験としてではなく、自然な対話の延長としてOriHimeと交流していました。

また、本企画は単発イベントとして実施されましたが、来場者・スタッフ双方から好意的な反応が得られたことを受け、monacaでは今後のイベントでの活用も検討されています。

地域施設における新しい参加の形として、OriHimeの可能性がさらに広がりつつあります。

空の公園から広がる、新しい働き方──てんぼうパーク×OriHimeの挑戦

2023年のリニューアル以降、「365日、公園びより。」をコンセプトに、多くの来場者を迎えている東京・池袋にあるサンシャイン60展望台 てんぼうパーク。
空の公園という開放的な空間で、同施設は分身ロボットOriHimeを活用した新たな取り組みに挑戦しています。

背景にあるのは、来場者に記憶に残る体験を届けたいという想いと、障害の有無に関わらず多様な働き方を模索する姿勢です。
今回はOriHime導入のきっかけや、トライアルを通じて見えてきた来場者・現場スタッフの反応、そして今後の展望について株式会社サンシャインシティの浅野さんと、株式会社サンシャインエンタプライズの近野さんにお話を伺いました。

てんぼうパーク×OriHimeが生み出す「新しい出会い」と「新しい働き方」

── てんぼうパークの概要を教えてください

海抜251mの高さにある「サンシャイン60展望台 てんぼうパーク」は、2023年4月に“365日、公園びより。”をコンセプトにリニューアルオープンした空の公園です。

人工芝が敷かれたメインエリアでは、ピクニック気分でくつろぐことができ、平日のお昼の時間帯は飲食物の持ち込みも可能。子どもから大人まで、思い思いの時間を過ごせる場所として親しまれています。

── てんぼうパークにOriHimeを導入する背景やもともと感じていた課題感を教えてください。

OriHime導入のきっかけは、サンシャインシティ全体で進められている障害者雇用への取り組みでした。
実際に分身ロボットカフェを訪れ、パイロットと直接話したことで、そのイメージが大きく変わりました。

名前

英語での接客などパイロットが個性や強みを活かして働いている姿がとても印象的でした。

 

2024年11月には、豊島区との実証実験として、特別支援学校に通う生徒がOriHimeのパイロットとして参加。
現場で生き生きと働く姿やご家族の喜ばれている様子が強く心に残ったそうです。

「”なんか面白いこと”が起きる場所」にふさわしい存在

── てんぼうパークへのOriHime導入を決めた理由を教えてください。

OriHime導入を決めた最大の理由は「人と人とのつながり」でした。直接コミュニケーションができ、感情を共有できるというOriHimeの対面ならではの価値に魅力を感じ、導入を決めました。
また、「なんか面白いこと、ある。」というサンシャインシティのキャッチコピーともマッチしている点も、大きな決め手となりました。

2つの体験型サービスが生み出す記憶に残る時間

── 今回の目玉である「てんぼうフライトツアー」と「OriHimeトークタイム」、それぞれの企画意図を教えてください。

てんぼうフライトツアーはOriHimeがガイド役となり、展望台から見える池袋の街や豊島区の魅力を紹介するツアーです。今後は水族館や池袋・豊島区の街への展開も視野に入れています。

OriHimeトークタイムは双方向のコミュニケーションがあることで、体験が“記憶に残るもの”になるのが大きな魅力です。

── 実際の現場での、お客様の反応はいかがですか? 印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

実際の現場では、子どもたちの反応が特に印象的でした。最初は少しおっかなびっくりしながら近づいてくる子どもたちも、OriHimeのやさしい声と穏やかな動きに触れるうちに、次第に緊張がほぐれ、笑顔でお話ししていました。
会話を終えたあとには、その場を離れてからも何度も振り返り、名残惜しそうにOriHimeを見つめる姿が印象的でした。

名前

リュックを背負って館内を移動していると、「分身ロボットカフェのロボットだ!」と声をかけてくれる来場者も。体験をSNSに投稿する人も現れ、自然な形で話題が広がっていきました。

 
── パイロットの「個性」が活きていると感じる場面はありますか?

出身地や得意分野が異なるパイロットたちによって、フライトツアーの小ネタや語り口も毎回変わります。「何度体験しても面白い」という声があるのは、パイロットの個性が活きているからだと思います。

── OriHimeがいることで、現場のスタッフ様にはどのような影響がありましたか?

現場スタッフの欠勤が重なった際にOriHimeが入口の分岐に立ち、案内役として現場を支えてくれた時はとても助かりました。
また、「もっと場を盛り上げたい」という想いから、スタッフからポップ制作などのアイデアが生まれ、OriHimeと展望台スタッフのコミュニケーションも活発になっています。パイロットから現場への提案が出る場面もあり、立場を越えたやり取りが生まれている点も印象的でした。

── 遠隔操作のOriHimeだからこそ提供できた価値はありますか?

小さくてかわいい見た目に加えて、リアルタイムでその場にいるかのようにしっかりコミュニケーションが取れるのがいいですね。

OriHimeとともに広がる未来

── 今回のトライアルの手応えはいかがでしょうか? 今後の構想があれば教えてください。

今回のトライアルを通じて、社内でも「こういう働き方があるんだ」という理解が広がったと思います。今後は、水族館や池袋・豊島区の街全体へとOriHimeの活躍の場を広げていきたいという構想もあります。
現在はトライアル期間としてスタッフが付き添っていますが、将来的にはOriHimeが一人で活躍する姿も見据えています。

名前

サンシャインシティに来たら、あちこちにOriHimeがいる。そんな光景が当たり前になったらいいですね。

 
── OriHimeと共に目指す「てんぼうパーク」の未来像や、読者へのメッセージをお願いします。

サンシャインシティは大型複合施設だからこそ、さまざまな働き方が生まれる場所でありたいと考えています。実際に足を運んでいただき、ここで行われている新しい取り組みや働き方を知ってもらえたらうれしいですね。
そしてこれからは、OriHimeも足を運んでいただくきっかけのひとつになってほしいと思っています。

今回の取り組みを通じて、OriHimeを初めて知り、「こういう働き方があるのだ」と気づいた方も多くいました。それは来場者だけでなく、現場で働くスタッフにとっても同じです。身近に「働きたい気持ちはあっても、外に出ることが難しい人」がいる方へ、OriHimeを使って働くという選択肢があることを、より多くの人に広まってほしいと願っています。

名前

海抜251メートルの場所で働くOriHimeに、ぜひ会いに来てください。
https://sunshinecity.jp/observatory/

「スーパーシティ型国家戦略特別区域」・つくば市が挑む「超短時間雇用の創出」ー 分身ロボットOriHimeが切り拓く、障害者雇用の新たな可能性

「スーパーシティ型国家戦略特別区域」に指定され、先端技術を活用した未来社会の実現を目指す茨城県つくば市。 同市では、規制緩和や新たな技術実証がしやすい環境を活かし、重度障害者など外出困難な方の就労支援に取り組んでいます。

今回は、つくば市役所に分身ロボット「OriHime」を導入した背景にある課題感や、庁舎内での実証実験を通じて見えてきた市民の反応、そして今後の展望についてお話を伺いました。

導入のきっかけは「週10時間未満」の働き方を社会に認めてもらうため

── まず、今回OriHimeを導入することになった背景や、解決したかった課題について教えてください。

一番の大きなきっかけは、つくば市が国から「スーパーシティ型国家戦略特別区域」に指定されたことです。 ここは規制緩和や先端技術の実証実験を通じて、2030年頃に実現される未来社会を先行実現することを目指すエリアです。この環境を活かし、様々な分野の法的な課題を実証実験を通じて解決し、最終的には法改正につなげていくことが、私たちの一つの大きなミッションです。

その中でも特に注力しているのが、障害福祉分野における「超短時間労働者」を取り巻く環境の改善です。

名前

現在、週10時間未満の就労は障害者雇用率の算定対象に含まれず、就労の実態が制度上は十分に反映されていません。そうした部分を少しでも改善したいと考えています。


── 具体的にはどのようなことでしょうか?

現行の制度の狭間で、週10時間未満しか働けないために障害者雇用率の算定に含まれず、就労機会が十分に確保されていない方々がいます。そうした方々に対し、分身ロボットOriHimeを通じて就労の機会をつくっていきたいと考えています。

そして、その実績を積み重ねることで、将来的には週10時間未満の就労者の方も雇用算定に含められるよう、法制度の見直しにつながることを期待しています。今回の導入は、その一歩として位置づけています。

「ロボットなのに、人が話している」その驚きがコミュニケーションを生む

── 実際に導入してみて、どのようなメリットを感じていますか?

一番大きいのは、やはりOriHimeというロボットの「見た目でわかる存在感」だと思います。 他のロボットやツールもあるかもしれませんが、OriHimeは一目でそれと分かり、興味を持ってもらいやすいデザインです。

実際に庁舎に置いていると、特にお子さんや外国人の方が強い興味を持って話しかけてくれることが多いですね。パイロット(操作者)の方も、日々の業務の中でそういった方々とコミュニケーションを取る機会が増えていると感じています。

── 印象に残っているエピソードはありますか?

つい先日のことですが、中南米からの視察団の方がいらっしゃった際、皆さんでOriHimeを取り囲んで話しかけていたことがありました。

名前

ロボットが話しているのに、まさか中に『人』がいて、リアルタイムで会話しているなんて!と、その仕組みにすごく驚かれていました


外国人の方からすると、ロボットそのものよりも「離れた場所にいる人間が働いている」というコンセプト自体が、国内外問わずまだ珍しく、強い関心を持っていただけたのだと思います。

── 来庁された市民の方々からの反応はいかがですか?

やはり、「ロボットが実際に話している」「実際に人が遠隔で操作している」ということへの驚きと、実証実験への関心の声を多くいただいています。「市役所でこんな先進的なことをやっているんだ」「こんなことができるんだね」といった、ポジティブな反応をいただくことが多いですね。

観光案内から混雑緩和まで。職員から挙がった「未来の活用アイデア」

── 職員の皆さんからの反応はいかがでしょうか?

導入当初はシンプルに「可愛い!」「いいね!」という反応が一番大きかったですね。そこから「こういう実証実験をやるんだね」と理解が広まっています。

また、職員向けに「OriHimeをどう活用できるか」というアンケートを取ったところ、庁舎内業務に限らないユニークなアイデアが集まりました。

── どのようなアイデアが出たのでしょうか?

つくば市ならではのアイデアとして、例えば「筑波山の山頂」や、つくば駅近くの「バスターミナル」での活用です。

筑波山であれば、ケーブルカーを待っているお客様の話し相手になったり、混雑時の運行情報をお伝えしたりする。バスターミナルであれば、登山客や観光客へのガイド役として、OriHimeを通じて案内業務を行うといったものです。

また、アイデアの一つとして挙がっていた、表敬訪問者を移動式OriHimeで案内・誘導する業務についても、実際にOriHime Cartを用いて実施しました。

名前

単なる窓口業務だけでなく、こうした訪問者の案内や観光案内、窓口や乗り物の順番をお待ちの方への『おもてなし』の分野でも活用できるんじゃないか、という声が現場から挙がっています

どのような形であれ「働きたい人」の機会を作り続ける

── 最後に、今後の展望について教えてください。

重度障害をお持ちの方など、これまで就労機会がなかなか生まれなかった方々に、いかにして働く場所を提供できることができるか、考え続けていきます。

名前

「スーパーシティ型国家戦略特別区域」に選ばれた『つくば市ならでは』の特徴を生かしながら、就労機会の創出については引き続き取り組んでいきたいと考えています

介護で出社できなくなった技術課長を救った 分身ロボットOriHimeがつなぐ“職場との距離

社員の働き方を諦めない東阪電子機器が選んだ、新しいチームコミュニケーションのかたち

介護や育児など、家庭の事情によって “働きたくても職場に行けない” 状況に置かれる社員が増えています。
特に、チームの中心を担う立場の社員が長期間出社できなくなると、本人のキャリアだけでなく、組織全体にも大きな影響が生じかねません。東阪電子機器株式会社でも、技術課長の藤原様がご家族の介護のため通勤が困難となり、フルリモート勤務へ移行しました。業務自体はオンラインで遂行できる一方で、「フロアにいられないことで仲間との距離を感じる」「会話の“温度感”がつかめない」といった課題が生まれました。こうした“見えない壁”を取り除くために導入されたのが、分身ロボット OriHime です。藤原課長が自宅からOriHimeを操作すると、まるで本人がフロアにいるかのように同僚と自然に会話が生まれ、チームの空気もこれまで通りに戻っていきました。本記事では、実際にOriHimeを活用されている東阪電子機器様に、導入の背景と効果、そして働き方の多様性に向けた同社の想いを伺いました。

インタビュー:「出社できない」現実と、見えにくい孤独
(技術課長 藤原様)

── 現在の勤務状況と、当初の課題を教えてください。

私は2012年の夏から、兵庫県西脇市でリモート勤務を続けています。大阪に会社があるのですが、一人暮らしをしていた父の体調が弱り、介護のために実家へ戻る決断をしました。
その際、当時の上司から「リモートという形で続けてみないか」と提案をもらい、会社も自然な形で受け入れてくれました。
結果的にリモート勤務は13年ほど続いています。業務自体はオンラインで問題なく進められていましたし、コロナ禍を経て環境も整いました。ただ、チャットや電話だけでは、職場の雰囲気や部下の表情、仕事の進み具合の“温度差”がどうしても分からない。自分だけがフロアにいないことで、存在感が薄れていく感覚もありました。また、部下の立場からすると「いざという時に現場にいない=頼りにくい」という思いもあったと思います。
仕事は回っていても、気持ちの面で距離が広がっていることに不安を感じていました。

「あ、課長が来た!」OriHimeが生んだ自然な存在感
(技術フロアの同僚の皆さん)

── 課長がOriHimeで“出社”すると聞いたときの率直な気持ちは?

正直なところ、最初は「画面越しとそんなに変わらないのでは?」という印象でした。ロボットを介したコミュニケーションが、どこまで日常に溶け込むのか想像がつかなかったんです。

── 実際に一緒に働いてみて、どんな変化がありましたか?

使い始めてすぐに印象が変わりました。フロアにOriHimeが立っているだけで、「あ、課長がいる」という感覚が自然に生まれます。設計の相談をするときも、近くにいる感覚で声をかけられますし、課長の方から「今ちょっと困ってそうだね」と声をかけてもらうこともあります。会議のときだけでなく、日常のちょっとしたやり取りが増えたことで、コミュニケーションのスピードも質も上がったと感じています。

「もう一度チームに戻れた」心に生まれた変化
(技術課長 藤原様)

── OriHimeを使ってみて、心境の変化はありましたか?

大きく変わりました。導入前は、職場の状況が見えない不安や、自分だけが離れている感覚が常にありました。でも、OriHimeを通してフロアの様子が見えるようになり、精神的な距離がぐっと近づいたと感じています。私は、OriHimeを毎日常時接続(フル)で使用しており、朝のミーティングではOriHimeから発言し、定時まで常に接続してパソコン画面で見れる状態にしているんです。そうすると、職場の「音」が聞こえてくるんです。人の話し声だけでなく、エアコンの音や雑音、外を走るバイクや車の音まで入ってくる。それがあることで、「同じ空間にいる」という感覚が生まれました。その雑音が妙に心地いいんです。今では、OriHimeは仕事をする上で欠かせない存在になっています。

── 今後の働き方についてどのように考えていますか?

これからもOriHimeを使い続けたいと思っています。介護という事情があっても、チームの一員として自然に働き続けられる。この選択肢があることは、自分にとっても、これから同じ立場になるかもしれない誰かにとっても大きな意味があると思います。


OriHime越しでの朝のミーティング風景

働き方の多様性を支えるツールとして
(人事・D&I推進担当)

── 御社では、出社困難な社員の働き方をどのように支援していますか?

藤原が10年以上前からテレワークをしていることについて、会社としては特別なことだとは捉えてきませんでした。必要だからそうしている、というごく自然な判断です。本格的なテレワーク制度の整備はコロナ以降ですが、就業規則やPC環境の整備を進め、誰でも選択できる形を整えてきました。

── 導入してみてどんな効果を感じていますか?

OriHimeを導入してから、藤原の存在感が明らかに強くなりました。フロアでメンバーがOriHimeに話しかけ、リアルタイムでやり取りしている光景をよく目にします。制度だけでなく、「どう寄り添うか」という観点で考えたとき、非常に有効なツールだと感じています。

社員の想いから生まれた「OriHime専用ユニフォーム」)

同社では、紳士服営業出身の社員が、藤原課長のためにOriHime専用のユニフォームを作成したそうです。
「課長にちゃんと“出社”してもらいたいから」という温かい気持ちから生まれた取り組みで、フロアの雰囲気もぐっと柔らかくなったといいます。

まとめ:離れた場所でも“同じ空間で働ける”という選択肢を企業に

介護や育児など、予期せぬ事情で通勤が難しくなる社員は、今後ますます増えていくでしょう。
東阪電子機器様の事例が示すように、「オンラインで仕事ができるかどうか」だけでなく、 「同じ空間にいる感覚をどう取り戻すか」 が、社員のメンタル面やチームの一体感に大きく影響します。OriHimeは、出社が難しい社員が仲間の存在を感じながら働けるだけでなく、フロアにいる社員にとっても、その人の“居場所”を自然に感じられるツールです。

離職を防ぎたい、社員のキャリアを途切れさせたくない、柔軟な働き方を本気で実現したい。そんな企業にとって、OriHimeは力強い選択肢となるはずです。