【取り組みの概要】
東京都江東区では障害者の就労支援・社会参加を促進するため、区役所2階の「手づくりショップ るーくる」に遠隔操作できる分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」設置しています。このロボットを操作して、長時間労働が難しい場合や業務時間内に介助が必要な方が、商品説明や接客業務にあたっています。OriHime(オリヒメ)を遠隔操作する方をパイロットと呼び、OriHime(オリヒメ)パイロットは、重度障害等があり外出困難な江東区民の方たちが担当しています。
【パイロットからのコメント】
(志望動機)
障害の状態が変化し、外出が徐々に困難になってきたため、在宅でできる仕事を探していました。
これまで、障害者の職域といえば事務職が大半というイメージを持っていましたが、接客業務でありながらリモート対応が可能なこの仕事を知り、とても新鮮に感じました。「このチャンスは絶対に逃したくない!」という思いが強く、迷うことなく応募いたしました。
(就労することでの日常の変化など)
希望に合わせたシフトで勤務できるため、通院などの予定と両立しながら働くことができ、日々の生活にメリハリが生まれました。また、接客時の話題に役立てようと、ニュースや流行に関する情報にも自然と関心が向くようになりました。
(一言メッセージ)
これからも、お客様に魅力的な商品をご案内できるよう、誠心誠意努めてまいります!
【担当職員からのコメント】
(今回の取り組みで大切にしていること)
一言で「障害等のため外出が困難」といっても、障害の内容や状況は人それぞれ異なります。
そのため、パイロット一人ひとりの障害や個別の事情に応じた支援を行うことを大切にしています。
(パイロットの変化)
社会人としての経験には個人差があったため、最初は接客にぎこちなさが見られるパイロットもいました。
しかし、皆少しずつ慣れていき、今では自信を持って接客している様子がうかがえるようになりました。
(るーくるを訪れた人の様子)
子どもたちはOriHimeに興味を持ち、よく話しかけてくれます。
一方で、忙しい世代の方々には、AIロボットが話しているように見えることもあり、通り過ぎられてしまうことも少なくありません。そのため、動きを交えながら積極的に話しかけるなどして、そうした方々の注意を引く工夫が今後の課題の一つです。
(一言メッセージ)
これからは、パイロットの卒業後の進路も視野に入れながら、事業を進めていきたいです。
注意:OriHime(オリヒメ)は午前11時~午後1時、午後2時~4時の4時間稼働しています。『るーくる』の開店時間内でも稼働していない場合があります。また、パイロットのシフトや体調等の事情から、前述の時間にも稼働していない場合があり得る旨、予めご了承ください。