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空の公園から広がる、新しい働き方──てんぼうパーク×OriHimeの挑戦

2023年のリニューアル以降、「365日、公園びより。」をコンセプトに、多くの来場者を迎えている東京・池袋にあるサンシャイン60展望台 てんぼうパーク。
空の公園という開放的な空間で、同施設は分身ロボットOriHimeを活用した新たな取り組みに挑戦しています。

背景にあるのは、来場者に記憶に残る体験を届けたいという想いと、障害の有無に関わらず多様な働き方を模索する姿勢です。
今回はOriHime導入のきっかけや、トライアルを通じて見えてきた来場者・現場スタッフの反応、そして今後の展望について株式会社サンシャインシティの浅野さんと、株式会社サンシャインエンタプライズの近野さんにお話を伺いました。

てんぼうパーク×OriHimeが生み出す「新しい出会い」と「新しい働き方」

── てんぼうパークの概要を教えてください

海抜251mの高さにある「サンシャイン60展望台 てんぼうパーク」は、2023年4月に“365日、公園びより。”をコンセプトにリニューアルオープンした空の公園です。

人工芝が敷かれたメインエリアでは、ピクニック気分でくつろぐことができ、平日のお昼の時間帯は飲食物の持ち込みも可能。子どもから大人まで、思い思いの時間を過ごせる場所として親しまれています。

── てんぼうパークにOriHimeを導入する背景やもともと感じていた課題感を教えてください。

OriHime導入のきっかけは、サンシャインシティ全体で進められている障害者雇用への取り組みでした。
実際に分身ロボットカフェを訪れ、パイロットと直接話したことで、そのイメージが大きく変わりました。

名前

英語での接客などパイロットが個性や強みを活かして働いている姿がとても印象的でした。

 

2024年11月には、豊島区との実証実験として、特別支援学校に通う生徒がOriHimeのパイロットとして参加。
現場で生き生きと働く姿やご家族の喜ばれている様子が強く心に残ったそうです。

「”なんか面白いこと”が起きる場所」にふさわしい存在

── てんぼうパークへのOriHime導入を決めた理由を教えてください。

OriHime導入を決めた最大の理由は「人と人とのつながり」でした。直接コミュニケーションができ、感情を共有できるというOriHimeの対面ならではの価値に魅力を感じ、導入を決めました。
また、「なんか面白いこと、ある。」というサンシャインシティのキャッチコピーともマッチしている点も、大きな決め手となりました。

2つの体験型サービスが生み出す記憶に残る時間

── 今回の目玉である「てんぼうフライトツアー」と「OriHimeトークタイム」、それぞれの企画意図を教えてください。

てんぼうフライトツアーはOriHimeがガイド役となり、展望台から見える池袋の街や豊島区の魅力を紹介するツアーです。今後は水族館や池袋・豊島区の街への展開も視野に入れています。

OriHimeトークタイムは双方向のコミュニケーションがあることで、体験が“記憶に残るもの”になるのが大きな魅力です。

── 実際の現場での、お客様の反応はいかがですか? 印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

実際の現場では、子どもたちの反応が特に印象的でした。最初は少しおっかなびっくりしながら近づいてくる子どもたちも、OriHimeのやさしい声と穏やかな動きに触れるうちに、次第に緊張がほぐれ、笑顔でお話ししていました。
会話を終えたあとには、その場を離れてからも何度も振り返り、名残惜しそうにOriHimeを見つめる姿が印象的でした。

名前

リュックを背負って館内を移動していると、「分身ロボットカフェのロボットだ!」と声をかけてくれる来場者も。体験をSNSに投稿する人も現れ、自然な形で話題が広がっていきました。

 
── パイロットの「個性」が活きていると感じる場面はありますか?

出身地や得意分野が異なるパイロットたちによって、フライトツアーの小ネタや語り口も毎回変わります。「何度体験しても面白い」という声があるのは、パイロットの個性が活きているからだと思います。

── OriHimeがいることで、現場のスタッフ様にはどのような影響がありましたか?

現場スタッフの欠勤が重なった際にOriHimeが入口の分岐に立ち、案内役として現場を支えてくれた時はとても助かりました。
また、「もっと場を盛り上げたい」という想いから、スタッフからポップ制作などのアイデアが生まれ、OriHimeと展望台スタッフのコミュニケーションも活発になっています。パイロットから現場への提案が出る場面もあり、立場を越えたやり取りが生まれている点も印象的でした。

── 遠隔操作のOriHimeだからこそ提供できた価値はありますか?

小さくてかわいい見た目に加えて、リアルタイムでその場にいるかのようにしっかりコミュニケーションが取れるのがいいですね。

OriHimeとともに広がる未来

── 今回のトライアルの手応えはいかがでしょうか? 今後の構想があれば教えてください。

今回のトライアルを通じて、社内でも「こういう働き方があるんだ」という理解が広がったと思います。今後は、水族館や池袋・豊島区の街全体へとOriHimeの活躍の場を広げていきたいという構想もあります。
現在はトライアル期間としてスタッフが付き添っていますが、将来的にはOriHimeが一人で活躍する姿も見据えています。

名前

サンシャインシティに来たら、あちこちにOriHimeがいる。そんな光景が当たり前になったらいいですね。

 
── OriHimeと共に目指す「てんぼうパーク」の未来像や、読者へのメッセージをお願いします。

サンシャインシティは大型複合施設だからこそ、さまざまな働き方が生まれる場所でありたいと考えています。実際に足を運んでいただき、ここで行われている新しい取り組みや働き方を知ってもらえたらうれしいですね。
そしてこれからは、OriHimeも足を運んでいただくきっかけのひとつになってほしいと思っています。

今回の取り組みを通じて、OriHimeを初めて知り、「こういう働き方があるのだ」と気づいた方も多くいました。それは来場者だけでなく、現場で働くスタッフにとっても同じです。身近に「働きたい気持ちはあっても、外に出ることが難しい人」がいる方へ、OriHimeを使って働くという選択肢があることを、より多くの人に広まってほしいと願っています。

名前

海抜251メートルの場所で働くOriHimeに、ぜひ会いに来てください。
https://sunshinecity.jp/observatory/

「スーパーシティ型国家戦略特別区域」・つくば市が挑む「超短時間雇用の創出」ー 分身ロボットOriHimeが切り拓く、障害者雇用の新たな可能性

「スーパーシティ型国家戦略特別区域」に指定され、先端技術を活用した未来社会の実現を目指す茨城県つくば市。 同市では、規制緩和や新たな技術実証がしやすい環境を活かし、重度障害者など外出困難な方の就労支援に取り組んでいます。

今回は、つくば市役所に分身ロボット「OriHime」を導入した背景にある課題感や、庁舎内での実証実験を通じて見えてきた市民の反応、そして今後の展望についてお話を伺いました。

導入のきっかけは「週10時間未満」の働き方を社会に認めてもらうため

── まず、今回OriHimeを導入することになった背景や、解決したかった課題について教えてください。

一番の大きなきっかけは、つくば市が国から「スーパーシティ型国家戦略特別区域」に指定されたことです。 ここは規制緩和や先端技術の実証実験を通じて、2030年頃に実現される未来社会を先行実現することを目指すエリアです。この環境を活かし、様々な分野の法的な課題を実証実験を通じて解決し、最終的には法改正につなげていくことが、私たちの一つの大きなミッションです。

その中でも特に注力しているのが、障害福祉分野における「超短時間労働者」を取り巻く環境の改善です。

名前

現在、週10時間未満の就労は障害者雇用率の算定対象に含まれず、就労の実態が制度上は十分に反映されていません。そうした部分を少しでも改善したいと考えています。


── 具体的にはどのようなことでしょうか?

現行の制度の狭間で、週10時間未満しか働けないために障害者雇用率の算定に含まれず、就労機会が十分に確保されていない方々がいます。そうした方々に対し、分身ロボットOriHimeを通じて就労の機会をつくっていきたいと考えています。

そして、その実績を積み重ねることで、将来的には週10時間未満の就労者の方も雇用算定に含められるよう、法制度の見直しにつながることを期待しています。今回の導入は、その一歩として位置づけています。

「ロボットなのに、人が話している」その驚きがコミュニケーションを生む

── 実際に導入してみて、どのようなメリットを感じていますか?

一番大きいのは、やはりOriHimeというロボットの「見た目でわかる存在感」だと思います。 他のロボットやツールもあるかもしれませんが、OriHimeは一目でそれと分かり、興味を持ってもらいやすいデザインです。

実際に庁舎に置いていると、特にお子さんや外国人の方が強い興味を持って話しかけてくれることが多いですね。パイロット(操作者)の方も、日々の業務の中でそういった方々とコミュニケーションを取る機会が増えていると感じています。

── 印象に残っているエピソードはありますか?

つい先日のことですが、中南米からの視察団の方がいらっしゃった際、皆さんでOriHimeを取り囲んで話しかけていたことがありました。

名前

ロボットが話しているのに、まさか中に『人』がいて、リアルタイムで会話しているなんて!と、その仕組みにすごく驚かれていました


外国人の方からすると、ロボットそのものよりも「離れた場所にいる人間が働いている」というコンセプト自体が、国内外問わずまだ珍しく、強い関心を持っていただけたのだと思います。

── 来庁された市民の方々からの反応はいかがですか?

やはり、「ロボットが実際に話している」「実際に人が遠隔で操作している」ということへの驚きと、実証実験への関心の声を多くいただいています。「市役所でこんな先進的なことをやっているんだ」「こんなことができるんだね」といった、ポジティブな反応をいただくことが多いですね。

観光案内から混雑緩和まで。職員から挙がった「未来の活用アイデア」

── 職員の皆さんからの反応はいかがでしょうか?

導入当初はシンプルに「可愛い!」「いいね!」という反応が一番大きかったですね。そこから「こういう実証実験をやるんだね」と理解が広まっています。

また、職員向けに「OriHimeをどう活用できるか」というアンケートを取ったところ、庁舎内業務に限らないユニークなアイデアが集まりました。

── どのようなアイデアが出たのでしょうか?

つくば市ならではのアイデアとして、例えば「筑波山の山頂」や、つくば駅近くの「バスターミナル」での活用です。

筑波山であれば、ケーブルカーを待っているお客様の話し相手になったり、混雑時の運行情報をお伝えしたりする。バスターミナルであれば、登山客や観光客へのガイド役として、OriHimeを通じて案内業務を行うといったものです。

また、アイデアの一つとして挙がっていた、表敬訪問者を移動式OriHimeで案内・誘導する業務についても、実際にOriHime Cartを用いて実施しました。

名前

単なる窓口業務だけでなく、こうした訪問者の案内や観光案内、窓口や乗り物の順番をお待ちの方への『おもてなし』の分野でも活用できるんじゃないか、という声が現場から挙がっています

どのような形であれ「働きたい人」の機会を作り続ける

── 最後に、今後の展望について教えてください。

重度障害をお持ちの方など、これまで就労機会がなかなか生まれなかった方々に、いかにして働く場所を提供できることができるか、考え続けていきます。

名前

「スーパーシティ型国家戦略特別区域」に選ばれた『つくば市ならでは』の特徴を生かしながら、就労機会の創出については引き続き取り組んでいきたいと考えています

ロイヤルホールディングス、オリィ研究所とともに外出困難な方の就労機会を創出

ロイヤルホールディングスとオリィ研究所は、これまでもさまざまな取り組みを通じて連携してきました。分身ロボットカフェのキャラバンイベントへの共創をはじめ、店舗やイベント会場での積極的な導入・実証を行い、「外出困難な方々の新たな就労機会の創出」に取り組んでいます。本記事では、これまでに実施した4つの導入事例をご紹介します。

期間限定地域キャラバンカフェ

2022年11月:「分身ロボットカフェDAWN ver.β in Fukuoka」
2023年2月:「分身ロボットカフェDAWN ver.β in Sapporo」
2023年12月:「分身ロボットカフェDAWN ver.β in Kyoto」
2024年11月:「分身ロボットカフェDAWN ver.β in Nagoya」

ロイヤルホスト羽田空港店での導入事例

ダイバーシティ&インクルージョンの推進を目的に、ロイヤルホスト羽田空港店では分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を期間限定で導入しました。店舗の入り口および客席2テーブルに、分身ロボット「OriHime」および「OriHime-D」を設置。病気や障害、育児・介護などさまざまな理由で外出が困難な“移動困難者”の方々が「OriHimeクルー」として遠隔で接客に参加しました。この取り組みでは、分身ロボットを介して、移動の制約を乗り越えた新たなサービスの形を模索しました。

大阪・関西万博会場内「ラウンジ&ダイニング」での導入事例

2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)においても、コカ・コーラ ボトラーズジャパン㈱とロイヤルホールディングス株式会社の協働により出店​された「ラウンジ&ダイニング」​(場所:E14-N201 ナショナルデーホール「レイガーデン」2F)​に導入されました。「OriHime(オリヒメ)」は、「ラウンジ&ダイニング」の出入口にてご来店のお客様をお迎えし、整理券の取得案内や、フォトスポットでの対応などを行いました。遠隔で接客を行うOriHimeクルーが、万博を訪れる多様なお客様との自然なコミュニケーションをサポートしました。
※会場の様子はnoteの記事からもご覧いただけます https://note.com/dawn2021/n/n700bfb08911f

ロイヤルホスト熊本空港店での導入事例

阿蘇くまもと空港の商業棟エリア「そらよかダイニング」に出店している「ロイヤルホスト熊本空港店」でも、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」が導入されました。店舗のエントランスでは、お客様への呼び込みを担当。また、併設されたお土産コーナーでは、商品のご紹介などの業務を行いました。地元の人気キャラクターと並んで、お客様に元気にアピールする姿が来店者の注目を集めました。(2025年9月までの期間限定導入)

今後について】

ロイヤルホールディングス、オリィ研究所は、これまでの取り組みを通じて得られたそれぞれの知見を発揮し、「OriHime(オリヒメ)」の活用について引き続き検討してまいります。様々な業種で分身ロボットの導入を促すとともに、遠隔就労の可能性への理解を深め、「すべてのひとが社会と繋がり続けられる未来」の実現に向け、貢献してまいります。

介護で出社できなくなった技術課長を救った 分身ロボットOriHimeがつなぐ“職場との距離

社員の働き方を諦めない東阪電子機器が選んだ、新しいチームコミュニケーションのかたち

介護や育児など、家庭の事情によって “働きたくても職場に行けない” 状況に置かれる社員が増えています。
特に、チームの中心を担う立場の社員が長期間出社できなくなると、本人のキャリアだけでなく、組織全体にも大きな影響が生じかねません。東阪電子機器株式会社でも、技術課長の藤原様がご家族の介護のため通勤が困難となり、フルリモート勤務へ移行しました。業務自体はオンラインで遂行できる一方で、「フロアにいられないことで仲間との距離を感じる」「会話の“温度感”がつかめない」といった課題が生まれました。こうした“見えない壁”を取り除くために導入されたのが、分身ロボット OriHime です。藤原課長が自宅からOriHimeを操作すると、まるで本人がフロアにいるかのように同僚と自然に会話が生まれ、チームの空気もこれまで通りに戻っていきました。本記事では、実際にOriHimeを活用されている東阪電子機器様に、導入の背景と効果、そして働き方の多様性に向けた同社の想いを伺いました。

インタビュー:「出社できない」現実と、見えにくい孤独
(技術課長 藤原様)

── 現在の勤務状況と、当初の課題を教えてください。

私は2012年の夏から、兵庫県西脇市でリモート勤務を続けています。大阪に会社があるのですが、一人暮らしをしていた父の体調が弱り、介護のために実家へ戻る決断をしました。
その際、当時の上司から「リモートという形で続けてみないか」と提案をもらい、会社も自然な形で受け入れてくれました。
結果的にリモート勤務は13年ほど続いています。業務自体はオンラインで問題なく進められていましたし、コロナ禍を経て環境も整いました。ただ、チャットや電話だけでは、職場の雰囲気や部下の表情、仕事の進み具合の“温度差”がどうしても分からない。自分だけがフロアにいないことで、存在感が薄れていく感覚もありました。また、部下の立場からすると「いざという時に現場にいない=頼りにくい」という思いもあったと思います。
仕事は回っていても、気持ちの面で距離が広がっていることに不安を感じていました。

「あ、課長が来た!」OriHimeが生んだ自然な存在感
(技術フロアの同僚の皆さん)

── 課長がOriHimeで“出社”すると聞いたときの率直な気持ちは?

正直なところ、最初は「画面越しとそんなに変わらないのでは?」という印象でした。ロボットを介したコミュニケーションが、どこまで日常に溶け込むのか想像がつかなかったんです。

── 実際に一緒に働いてみて、どんな変化がありましたか?

使い始めてすぐに印象が変わりました。フロアにOriHimeが立っているだけで、「あ、課長がいる」という感覚が自然に生まれます。設計の相談をするときも、近くにいる感覚で声をかけられますし、課長の方から「今ちょっと困ってそうだね」と声をかけてもらうこともあります。会議のときだけでなく、日常のちょっとしたやり取りが増えたことで、コミュニケーションのスピードも質も上がったと感じています。

「もう一度チームに戻れた」心に生まれた変化
(技術課長 藤原様)

── OriHimeを使ってみて、心境の変化はありましたか?

大きく変わりました。導入前は、職場の状況が見えない不安や、自分だけが離れている感覚が常にありました。でも、OriHimeを通してフロアの様子が見えるようになり、精神的な距離がぐっと近づいたと感じています。私は、OriHimeを毎日常時接続(フル)で使用しており、朝のミーティングではOriHimeから発言し、定時まで常に接続してパソコン画面で見れる状態にしているんです。そうすると、職場の「音」が聞こえてくるんです。人の話し声だけでなく、エアコンの音や雑音、外を走るバイクや車の音まで入ってくる。それがあることで、「同じ空間にいる」という感覚が生まれました。その雑音が妙に心地いいんです。今では、OriHimeは仕事をする上で欠かせない存在になっています。

── 今後の働き方についてどのように考えていますか?

これからもOriHimeを使い続けたいと思っています。介護という事情があっても、チームの一員として自然に働き続けられる。この選択肢があることは、自分にとっても、これから同じ立場になるかもしれない誰かにとっても大きな意味があると思います。


OriHime越しでの朝のミーティング風景

働き方の多様性を支えるツールとして
(人事・D&I推進担当)

── 御社では、出社困難な社員の働き方をどのように支援していますか?

藤原が10年以上前からテレワークをしていることについて、会社としては特別なことだとは捉えてきませんでした。必要だからそうしている、というごく自然な判断です。本格的なテレワーク制度の整備はコロナ以降ですが、就業規則やPC環境の整備を進め、誰でも選択できる形を整えてきました。

── 導入してみてどんな効果を感じていますか?

OriHimeを導入してから、藤原の存在感が明らかに強くなりました。フロアでメンバーがOriHimeに話しかけ、リアルタイムでやり取りしている光景をよく目にします。制度だけでなく、「どう寄り添うか」という観点で考えたとき、非常に有効なツールだと感じています。

社員の想いから生まれた「OriHime専用ユニフォーム」)

同社では、紳士服営業出身の社員が、藤原課長のためにOriHime専用のユニフォームを作成したそうです。
「課長にちゃんと“出社”してもらいたいから」という温かい気持ちから生まれた取り組みで、フロアの雰囲気もぐっと柔らかくなったといいます。

まとめ:離れた場所でも“同じ空間で働ける”という選択肢を企業に

介護や育児など、予期せぬ事情で通勤が難しくなる社員は、今後ますます増えていくでしょう。
東阪電子機器様の事例が示すように、「オンラインで仕事ができるかどうか」だけでなく、 「同じ空間にいる感覚をどう取り戻すか」 が、社員のメンタル面やチームの一体感に大きく影響します。OriHimeは、出社が難しい社員が仲間の存在を感じながら働けるだけでなく、フロアにいる社員にとっても、その人の“居場所”を自然に感じられるツールです。

離職を防ぎたい、社員のキャリアを途切れさせたくない、柔軟な働き方を本気で実現したい。そんな企業にとって、OriHimeは力強い選択肢となるはずです。

海を越えてシンガポールで教育プログラムを実施 — シンガポール日本人学校

導入の経緯・講演の経緯

2025年10月8日、シンガポール日本人学校中学部の生徒約400名を対象に、オンラインで教育プログラムを実施しました。
オリィ研究所としては、海を越えて海外の学校で授業を行うのは今回が初めてです。その様子をレポートします。
今回の実施に至ったきっかけは、同校の道徳の教科書でオリィ研究所やOriHimeの取り組みを知っていただいたことでした。
分身ロボットカフェで働くOriHimeパイロットの方から直接お話を伺うことで、それぞれの背景や思いを知り、「自分の能力を発揮して社会に参加することの喜びや充実感」に気づくこと、そして「社会に貢献する意欲」を育むことを目的として講演を行いました。

実施の模様

── オリィ研究所の理念と事業の紹介

まずは、オリィ研究所が掲げる理念である「孤独の解消」について、そしてその実現を目指してどのような事業を行っているのかについて、社員がZoomを通じて説明を行いました。

── OriHimeパイロットの講演

続いて、教科書にも取り上げられ、今回のご依頼のきっかけにもなったOriHimeパイロットに登壇いただきました。
教科書だけでは伝わらない、パイロット自身の葛藤や挑戦のエピソードを交えたお話に、生徒の皆さんも真剣に耳を傾けていました。

── 反転体験:シンガポールからカフェDAWNにログイン!

講演の翌週には、お昼休みの時間を使って、シンガポールから東京の「分身ロボットカフェ DAWN」に設置されたOriHimeへ接続し、遠隔操作体験を実施しました。希望者が集まり、OriHimeを操作してカフェのお客様やスタッフと交流。海を越えても人とつながることができる、テクノロジーの力を体感していただきました。

── 生徒・先生からの感想

「オリィさんが出会った16歳の方の“自分は〇〇をするために生まれてきた”という言葉が、いつも優柔不断で行動に移せない自分の心にとても響きました。」

「今までの講演で一番ためになるお話でした。受験期という人生の方向を決める時期に、自分の意思や周りの環境を大切にしたいと思いました。自分にはない視点から物事を考えられる人になりたいです。」

このように、生徒たちにとって、今後の人生に大きな影響を与える貴重な講話となりました。また、教職員の皆様からも「教員としてだけでなく、一人の人間としても多くの気づきを得られた」との声が寄せられました。

まとめ

今回が初めての海外オンライン講演でしたが、画面越しでも「思いが確かに届いている」と実感できる時間となりました。オリィ研究所は、今後もこのような教育プログラムを通じて、 未来を担う子どもたちが社会について主体的に考える機会を創出し、テクノロジーと社会をつなぐ活動を続けてまいります。

中外製薬DX部署の皆さまが分身ロボットカフェを体験

2025年10月21日、中外製薬株式会社のDX部署に所属する社員の皆さまに、分身ロボットカフェをご利用いただきました。当日は、オリィ研究所CVO・吉藤による講演会に加え、OriHimeパイロットによる接客体験を実施しました。

吉藤による講演会

講演では、OriHimeの開発に至った経緯や分身ロボットカフェ設立の背景についてお話ししました。オリィ研究所が掲げる理念「孤独の解消」を目指して行っている様々な事業や、目指している未来・社会についても説明させていただきました。

質疑応答

「パイロット」という言葉の由来についての質問が挙げられ、吉藤より「入院中にOriHimeを使って勉強していた子どもが、退院後に『僕、入院中にパイロットになったよ!』と友達に誇らしげに語ったことがきっかけ」と回答。質疑応答ではそれ以外にも多くの質問が寄せられました。

分身ロボットカフェ体験

講演後には、OriHimeパイロットによる接客を体験いただきました。
パイロットがOriHimeで仕事をするようになったきっかけや挑戦していることなど、たくさんの質問が寄せられ、和やかな雰囲気で会話が弾んでいる様子でした。
体験終了後には「寝たきりなどの当事者の方と普段話す機会がないが、自分の想像していないような部分で不便さを感じていることを学んだ」という感想が語られました。

参加者の感想

アンケートでは多くの感想が寄せられました。一部を抜粋してご紹介します。

  • デジタルは改めて手段なんだということを感じさせられました。
  • 想い、行動力、発想力、すべてがすごかったです。とにかく圧倒されました。自分が何を成し遂げたいのかを考えさせられました。
  • 原稿用紙数枚に渡って感想が書けそうなくらい多角的な気づきがあり、感心させられました。頭脳労働はAIに代替されても関係性労働は残り続けるという話に共感した。
  • 1時間程度とは思えない、濃密な内容をお聞きすることができたため。濃い内容の中でもわかりやすい、感動的なエピソードも多く、引き込まれる時間だった。 (のちにプレゼンがうまいのではなく、たくさんの準備に裏付けされたパフォーマンス、というnoteも拝見し、さらに感銘を受けた)
  • まず遠方のご自宅にいらっしゃる方と話す、ということは普段からオンラインで実施しているのに、ロボット越しにお話するだけで、全く違った体験になるということに感銘を受けた。また対話してくださったパイロットの方が、非常に会話上手であるのに加えて、就労に関する課題点等をまとめてくださっており、不便に直面している当事者の方のご意見をうかがえる貴重な機会だった。

オリィ研究所はこのような講演会や分身ロボットカフェ体験等の取り組みを通じて、今後も移動困難者の選択肢を豊かにし、社会にある障壁を取り除く活動に尽力してまいります。

「グローカル・探究授業」 —長崎県立口加高校の実践レポート

長崎県最南端に位置し、全校生徒約204名が学ぶ長崎県立口加高校。同校では、設置されている学科やコースの特色を活かしながら、フィールドワークや研究者との対面指導などを積極的に取り入れ、探究的な学びを深めています。地理的なハンディキャップはICTの活用によって克服し、生徒たちは地域に根ざしたテーマを自ら見出し、学びを進化・発展させています。

テーマは「外出が困難な人にも旅の体験を」

「ミライ班」の生徒たちが最初に着目したのは、「外出が困難な方々」に向けた新たな観光体験の提供。
まずはその対象として高齢者を想定し、仮説を立てたうえで地域のグループホームや福祉施設を訪問し、現場の声を聞き取りました。
その中で浮かび上がったのは、以下の2つの課題です。

  1. 家族や友人との面会機会の減少
  2. 施設内外での活動機会の減少

この現状を受け、生徒たちは「懐かしい地元の観光地を訪れることで、喜びや癒しを感じてもらう体験を届けたい」と考えました。
そこから生まれたのが、南島原の人気観光コンテンツ「イルカウォッチング」を活用した新たな企画です。

分身ロボットで届ける、イルカウォッチング体験

生徒たちは、施設の高齢者が実際に外出しなくても自然を感じられるようにと、船上から野生のイルカを鑑賞する様子を分身ロボット『OriHime』で中継する実証実験を実施しました。
しかし、この取り組みの中でいくつかの課題も明らかになりました。

  • 高齢者にとって長時間のイベントは体力的に負担が大きい
  • インターネット回線の不安定さにより映像が粗くなる場合がある
  • 施設職員には説明していたが、参加者本人への説明が不十分だった

特に、「イルカが現れるまで長時間画面越しに待つ」ことに対しては、高齢者に無理を強いてしまったと、生徒たちは振り返ります。

ターゲットを変更して、次の実証へ

この反省を踏まえ、生徒たちは次の実証対象として「同年代の特別支援学校の生徒」を設定しました。
長崎県立諫早特別支援学校高等部の生徒がOriHimeを遠隔操作し、口加高校の7名の生徒がガイド役となって、早崎瀬戸の海やイルカの様子をリアルタイムでリポートするバーチャルツアーを実施。
参加した特別支援学校の生徒からは、「イルカの迫力に驚いた。映像を通して口加高の皆さんと旅をした気分になれた」という感想も寄せられ、企画の意図が伝わったことを感じさせる結果となりました。

生徒たちの学びと変化

「高齢者」から「同年代の生徒」へとターゲットを変えたことで、企画の伝わり方や体験の満足度が大きく変わったことを実感した生徒たち。
実証を振り返る中で、「本当にその体験はニーズに合っていたのか?」「届けたい相手の声をどれだけ聞けていたか?」といった問いを立て、活発な議論が交わされるようになりました。

ある生徒はこう語ります。
「地域課題に取り組む上で、“Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めないで)”という視点を大切にしたい。島原半島の観光のあり方を変えるフロントランナーになりたい」

このプロジェクトでの経験を、大学の総合型選抜(AO入試)のテーマとして深めている生徒も現れるなど、学びの広がりは着実に生まれています。地域の課題に向き合いながら、自ら問いを立て、仮説を立て、検証し、また改善へとつなげていく。長崎県立口加高校「ミライ班」の探究の姿勢は、まさにグローカル教育の実践例として注目されています。

オリィ研究所は、今後もこういった教育プログラムを通じて未来を担う子どもたちが社会について主体的に考える機会を創出し、テクノロジーと社会のつながりをつくる事業を行ってまいります。

教育プログラムについて

教育プログラムは、探究授業、インクルーシブ教育、障害理解、社会課題への向き合い方など、さまざまなシーンで活用いただいております。
※プログラムの内容や時間に関しては、応相談で承ります。

詳しくは、教育プログラム 公式サイト https://orihime.orylab.com/school-service.html をご覧ください。

DXハイスクール採択校が分身ロボットOriHimeを通じた対話を体験

オリィ研究所が提供する教育プログラムとは

2025年9月1日に開智未来中学・高等学校の生徒さん27名に対して教育プログラムを実施しました。
今回、DXハイスクール採択校でもある開智未来高等学校の取り組みの一環として本教育プログラムを活用いただきました。当日は高校生を中心に、中学生も交えて多様な学年の生徒さんが参加。幅広い視点から活発な意見交換が行われました。

教育プログラム実施の模様

── オリィ研究所の理念と事業の説明
まずは、オリィ研究所が理念としている「孤独の解消」に関する説明や、孤独の解消を目指してどのような事業を行っているのかについて説明。生徒の皆さんはとても真剣に説明を聞き、メモをとっている様子も見られました。

── OriHimeパイロットとの対話
説明の後は、実際にOriHimeパイロットと対話する時間となり、パイロットがなぜこの仕事をしているのかや、OriHimeを使ってどのような仕事をしているのか等をお話し、生徒さんも積極的に質問をしていました。
OriHime-Dによるドリンク配膳も行われ、パイロットとのコミュニケーションで笑顔が多く見られました。

── 意見発表
対話の後は、それぞれのテーブルで話したことや感じたことをシェアしました。
下記のような意見が上げられ、充実した時間となったことが伺えました。

  • OriHimeは人の分身なので環境や人に配慮できるという話を聞き、AIは人ではないがOriHimeは人そのものなのだと感じた
  • 人と同じような視野をもっていたりモーションで感情が見えるなど工夫された機能が良かった
  • OriHimeで新しい仕事をつくりたいという話が印象的だった、やりたいことも人と話すことで生まれると感じたし、人と話すことで実現されていくと感じた

また、最後に全体的な質問として「最近脳にチップを埋め込んで機械を操作するといったよう新しい技術が出てきているが、OriHimeの機能拡張を考えているか」が挙げられ、オリィ研究所より「視線入力でのOriHime操作がすでに実現されているように、その先の展開も考えている。どうやったら使いやすくできるか、より分身として存在を感じられるかを開発していく」と回答しました。
オリィ研究所は、今後もこういった教育プログラムを通じて未来を担う子どもたちが社会について主体的に考える機会を創出し、テクノロジーと社会のつながりをつくる事業を行ってまいります。

教育プログラムについて

教育プログラムは、探究授業、インクルーシブ教育、障害理解、社会課題への向き合い方など、さまざまなシーンで活用いただいております。

※プログラムの内容や時間に関しては、応相談で承ります。
詳しくは、教育プログラム 公式サイトhttps://orihime.orylab.com/school-service.html をご覧ください。

【アート鑑賞】分身ロボット「OriHime」とまわる鑑賞ツアー

アール・ブリュット2024巡回展「抽象のラビリンス ―夢みる色と形―」会場
画像:東京都渋谷公園通りギャラリー

導入背景

東京都渋谷公園通りギャラリーでは、2023年度からアール・ブリュット巡回展会期中の関連イベントとして、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を活用しています。近年、誰もが文化や芸術に触れられる機会をつくることの重要性が高まっていますが、移動や外出に困難を抱える方々にとっては、美術館やギャラリーでの体験が制限されがちです。そのような中、「OriHime」を活用することで、身体的な制約にかかわらず、まるで会場にいるかのように展覧会を鑑賞し、他の来場者やスタッフと交流できる新しい芸術体験を提供しています。

過去のイベントの様子

過去の会期中にも分身ロボット「OriHime」を利用し、遠隔参加者と展覧会会場をつないで鑑賞プログラムを実施しました。
ファシリテーターの案内により、様々な理由で外出が困難な方や遠方にお住まいの方にはご自宅から「OriHime」を遠隔操作していただき、会場参加者と共に作品を鑑賞。「OriHime」を囲みながらグループで会場を巡り、気づきや感想を語り合うことで、和やかな対話が生まれました。「OriHime」の存在によって、どうにか伝えたい、受け取りたいという気持ちが湧き上がり、コミュニケーションが活発になる様子もありました。オンラインを通した情報伝達につきものの「手ごたえの感じにくさ」を克服しうる鑑賞の機会となりました。
また、都内の障害者支援施設2か所を対象に「OriHime」を介した鑑賞も実施。施設職員の協力のもと、利用者の方が感想を伝えたり、ギャラリーの雰囲気や窓辺からの景色を感じ取ったりする様子がありました。

今後に向けて

本取り組みを通じ、鑑賞のあり方やアートの楽しみ方をさらに多様に広げていきます。
どなたにとっても参加しやすい鑑賞プログラムの充実を目指し、テクノロジーなども取り入れた様々なプログラムを展開していきたいと考えています。

お知らせ

アール・ブリュット2025巡回展「既知との遭遇 自伝的ブリコラージュの世界へようこそ!」

・第1会場:東京都渋谷公園通りギャラリー
・会期:2025年9月27日(土)― 12月21日(日)

開館時間:11:00~19:00
休館日:月曜日(ただし10/13、11/3、11/24は開館)、10/14、11/4、11/25

入場無料 https://inclusion-art.jp/s/bricolage
 
 
分身ロボット「OriHime」とまわる鑑賞ツアー ※事前申込制/抽選

・日時:2025年11月30日(日)
1回目 14:00~15:00
2回目 16:30~17:30

定員:各回4名(OriHime遠隔参加1名+会場参加3名)

詳細はこちらから https://inclusion-art.jp/archive/event/2025/20251130-334.html

 
ほか、

・第2会場:プリモホールゆとろぎ(羽村市生涯学習センター)
会期:2026年1月15日(木)― 1月25日(日)

・第3会場:板橋区立成増アートギャラリー
会期:2026年1月31日(土)― 2月9日(月)

【高知県】分身ロボットで落語鑑賞~だれでもが参加できる「よさこい高知文化祭2026」に向けて開催準備中~

イベントの概要

高知出身の落語家2名が中心となって高知県民文化ホールで開催された「高知落語会」。
普段はなかなか現地に参加が難しい特別支援学校の生徒さんが分身ロボットOriHimeを利用して鑑賞しました。

導入背景

高知県で2026年秋に開催される「よさこい高知文化祭2026」は、第41回国民文化祭と第26回全国障害者芸術・文化祭の統一名称です。病気や障害、あるいは距離の問題など様々な事情で参加が難しい人にも文化祭に参加して楽しんでもらいたいと、本年は様々なトライアルを実施しています。今回は普段はなかなか参加が難しい特別支援学校の生徒さんに分身ロボットOriHimeを利用して鑑賞してもらうことで、落語に興味を持ってもらうとともに様々な参加の形があることを知ってもらうことが目的です。特別支援学校の生徒さんは、落語を聞きながら会場の方と一緒に分身ロボットOriHimeで拍手をしていました。

鑑賞後には、「落語はテレビで見たことはあるが、深く見たことはなかった。見てみたら面白かった。(分身ロボットOriHimeの)操作がチョー楽しかった。外出できない人もあきらめてほしくない。」と感想を話してくれました。

今後に向けて(今後の抱負)

病気や障害の有無や距離に関係なく参加できる「よさこい高知文化祭2026」として、来年の本番(2026年10月25日~12月6日)には240を超えるイベントを企画しており、その中で分身ロボットOriHimeには県内各地のホールでの芸術鑑賞や各種イベントへの参加を考えているほか、会場での受付や案内などの仕事についても検討しています。

よさこい高知文化祭2026
https://yosakoi-kochi-bunkasai2026.pref.kochi.lg.jp/

多様な視点と出会う教室 OriHimeによる交流型学習の実践

愛知県瀬戸市にある瀬戸SOLAN学園初等中等部(理事長:長尾幸彦)では、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を活用し、身体に障害のある方々との交流を目的とした遠隔授業に取り組んでいます。

学校での活用方法

北海道、九州、大阪に住む身体に障害のある男女4名のパイロットが、日替わりでチューターとして参加しています。はじめは、登校時に児童たちがあいさつを交わす、コミュニケーションのきっかけとして分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を活用し始めました。

子どもたちがOriHimeに慣れてきたタイミングで、「道徳」や「生活」、「プロジェクト学習」などの授業にも適宜取り入れています。学校では、「授業に同級生や先生以外の“大人の視点”が加わることで、子どもたちにとって新たな学びの刺激になるのではないか」との仮説を立て、この取り組みを試行し始めたそうです。

道徳の授業では、教科書教材『道夫とぼく』を使い、「誰に対しても公平に接することの大切さ」について考えました。この授業には、福岡から参加したパイロットの亮さんがOriHimeを通じて登場。仲間はずれをしたこと・されたことの経験や、教材に関する問いについて、児童たちと共に語り合いました。

また、プロジェクト学習では、北海道在住のパイロット・由紀さんが参加。子どもたちが進めている、学校周辺の生き物を調べてまとめる「デジタル Nature Map」の進捗を報告したり、困っていることの相談に乗ってもらったりしました。ある男子児童が、タブレットで撮影した写真をOriHimeに見せながら「この写真はヒメカメノコテントウだよ」と説明すると、由紀さんは「どうやって名前を調べたの?」「北海道ではあまり見かけないテントウムシだね」と返答。質問に答えるために子どもたちが図鑑を開いて調べるなど、対話を通じて自然に学びを深めていく様子が見られました。

教員の声

パイロットの皆さんは、子どもたちにとても温かく語りかけてくださるため、子どもたちも自然と会話が弾みます。別のグループへ移動する際には、「もう終わりなの?」「次はいつ来てくれるの?」といった声が上がるほどでした。
日頃、長い時間を共に過ごしている私たち教員だけでなく、OriHimeを通じて遠隔から授業に参加してくださる方々など、多くの人が授業に関わることで、子どもたちは知識や技能だけでなく、感情の豊かさも育まれていくことを改めて実感しています。また、共に時間を過ごす中で、障害への理解も自然と深まっていくことを期待しています。

モスバーガー原宿表参道店での接客に「OriHime」活躍中

株式会社モスフードサービスは、時代にあったモスバーガーらしいホスピタリティの形を追求し、テクノロジーを活用しながら、人ならではのあたたかみのある接客について研究を続けており、2020年7月に株式会社オリィ研究所と協力し、「OriHime」を介してパイロットと会話しながらゆっくりと商品を注文できる「ゆっくりレジ」等の実証実験を「モスバーガー大崎店」で実施しました。これまで「OriHime」の実証実験はこの「モスバーガー大崎店」のみで行っていましたが、2022年7月よりモスバーガー原宿表参道店に場所を移して、継続しています。今回の記事では「モスバーガー原宿表参道店」でのテスト導入の様子をお伝えします。

モスバーガー原宿表参道店(東京都)での取り組み

当社特例子会社の株式会社モスシャインで働く障がいのあるメンバー(チャレンジメイト)と、株式会社オリィ研究所のハンディキャップをもつメンバーが、交代でOriHimeパイロットとなり、出来上がった商品をお渡しする際にお客さまにお声かけする役割を、曜日・時間限定でOriHimeが担当しています。OriHimeのパイロットは秋田県や大阪府、兵庫県、福岡県など全国各地から交代で参加しており、お客さまから「どこから操作されているのですか?」と質問を受けるなど、商品が出来上がるまでの時間に会話が弾むこともあります。また店舗にとっても、商品のお渡しをOriHimeが担当することで店舗キャストには余裕が生まれ、お客さまへのより良いサービスにつながっています。

一緒に働くスタッフからの声

かわいらしく動きながら、挨拶やお声がけといった接客を行うOriHimeの存在が、お客さま同士の新たな交流を生むきっかけになることがあります。たとえば、小さなお子さまから「名前はなんていうの?」と声をかけられたOriHimeが答え、それをきっかけに会話が弾む様子など、店内はいつも以上に明るく、和やかな雰囲気に包まれます。そんな光景を見て、店舗キャストもより親しみを感じていただけるよう、POPを手作りするなど、さまざまな工夫を凝らしました。パイロットからは、「お客さまに興味を持ってもらえて嬉しい!」「店舗キャストとの交流も深められた!」といった声が寄せられ、店舗キャストにとっても大きなやりがいを感じる機会となりました。

モスバーガー原宿表参道店について

「モスバーガー原宿表参道店」は、株式会社モスフードサービスの持続可能な社会づくりへ向けた取り組みを発信するフラッグシップ店舗として、2021年12月にオープンした店舗です。店舗の内装には、障がいのある人々の作品をデザインとして採用し、アートギャラリーのような空間を演出しています。これは、株式会社モスフードサービスが2016年から実施してきた「MOSごと美術館」という取り組みの一環で、障がいのある人々の作品をモスバーガーの店舗に展示し、気軽に親しんでもらう機会を創出しています。

その他の活動として「こどモス」プロジェクト(https://www.mos.jp/kids-enjoy/moswaiwai/kodomos/)の一環としてOriHimeによる絵本の読み聞かせや株式会社オリィ研究所が毎年地方開催している「分身ロボットカフェ」DAWN ver.βの近隣店舗での接客を期間限定で実施しています。


 

分身ロボットOriHimeで未来を考える!子どもたちの科学体験@キングスカイフロント

オリィ研究所は、2024年8月7日(木)に殿町キングスカイフロントで開催された「夏の科学イベント2024」(主催:キングスカイフロント夏の科学イベント実行委員会)に、一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)とともに出展者として参加しました。

当日は、小学生向けの体験プログラム「分身ロボットOriHimeで近未来を体験しよう!」を実施し、分身ロボットの成り立ちをわかりやすく紹介するとともに、子どもたちにロボットをより身近に感じてもらえるよう、実際の操作体験を提供しました。

当日は、40名以上の小学生がイベントプログラムに参加し、分身ロボット「OriHime」を実際に操作しながら、将来社会に広がっていくであろうロボットとの共生について、想像をふくらませ、体験を深めました。
また、「パイロット」と呼ばれる10名以上の方々がOriHimeを遠隔操作し、自身がなぜパイロットという働き方を選んだのか、OriHimeによってどのように生活が変化したのかを語ってくれました。さらに、「自分が子どもだったらOriHimeで何をしたいか」といった話題も飛び出し、子どもたちの好奇心や想像力を刺激する、活発な交流が生まれました。

「ロボットとは何か?」「分身ロボットってどういうもの?」といった、夏休みの自由研究のテーマにもなりそうな問いかけも多く、子どもたちは真剣な表情で考え、発言していました。中には、「視覚障害のある人でもOriHimeは使えるのかな?」といった、本質を突く鋭い質問もあり、印象に残る場面も数多く見られました。
今年度も、8月に同イベントを予定しております。皆様にお会いできることを楽しみにしております。

【埼玉県】 小児病院でパイロットたちによるお子様相手の実証実験

埼玉県では、障害者の多様な働き方を県民や企業に広く周知し、障害者の就労機会の拡大につなげることを目的に、令和4年度から令和6年度まで分身ロボット「OriHime (オリヒメ)」を活用した就労支援に取り組みました。令和6年度は、久喜市の土屋小児病院にご協力いただき、分身ロボットOriHimeを通じた障害者の就労支援を実施しました。

実施内容

パイロットとして参加したのは、障害のある方や24時間のケアが必要なご家族を抱える方など、外出が困難な9名の方々でした。彼らは毎週火・木・金曜日の週3回、午前と午後にそれぞれ30分ずつ、入れ替わり制で活動を行いました。活動は、自宅などの遠隔地からパソコンなどを使い、院内に設置された分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を操作しての遠隔就労という形で実施されました。

<具体的な活動内容>
・病児保育室「つりーはうす」での、満6カ月~小学校6年生までの利用児童の遊び相手
・プレイルームでの、入院している同年齢の児童の遊び相手
・個室病室での、入院児童の遊び相手

参加した9名のパイロットの中には、小さなお子さんを育てている母親や、元幼稚園教諭といった、子どもとの関わりに慣れている方も含まれていました。最初はロボットの姿に驚き、怖がる子どももいましたが、パイロットたちのやさしい語り口や対応により、次第に子どもたちも心を開いていきました。ログアウトの時間になると、「まだOriHimeさんと遊びたい!」と名残惜しむ声も聞かれ、なかにはパイロット宛てに手紙を書いてくれる子どももいました。

遠隔就労に参加したバイロットの感想

お子さんたちが自分で描いたイラストを見せてくれたり、最近ハマっていることについて楽しそうに話してくれる時間は、私にとっても毎回の楽しみでした。見た目はロボットである私に対して、「OriHimeパイロットに見てほしい」「話したい」と思ってくれたことが、本当にうれしく、深く心に残っています。好きなことを共有してくれるほど、OriHimeパイロットとの会話を楽しみにしてくれていたのだと感じた瞬間、遠隔でも心がつながっていること、そしてこの取り組みに関われていることへのやりがいを強く実感しました。また、いつも遊びに来てくれる女の子は、OriHimeとの時間をとても楽しみにしてくれていたようで、ログインした瞬間、画面越しに頬ずりをしたり、ハグで愛情を表現してくれました。ロボット越しではありますが、温かい気持ちがまっすぐ伝わってきて、とても心があたたかくなる経験でした。

埼玉県担当者の感想

埼玉県では、オリィ研究所様に御協力をいただき、令和4年から令和6年まで、土屋小児病院での入院患者等対応業務の他、埼玉しごとセンターでの窓口業務や高齢者デイサービス施設での利用者対応業務において、 OriHimeを活用した障害者の就労機会拡大に取り組みました。今回の取組を通して、 OriHimeを活用することで、外出が困難な障害者の方々にも様々な就労の可能性があると実感しました。今後も、引き続き障害者の就労支援に取組み、障害者の方々が活躍できる社会の実現に努めてまいります。

【江東区】区役所売店に分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を導入

取り組みの概要

東京都江東区では障害者の就労支援・社会参加を促進するため、区役所2階の「手づくりショップ るーくる」に遠隔操作できる分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」設置しています。このロボットを操作して、長時間労働が難しい場合や業務時間内に介助が必要な方が、商品説明や接客業務にあたっています。OriHime(オリヒメ)を遠隔操作する方をパイロットと呼び、OriHime(オリヒメ)パイロットは、重度障害等があり外出困難な江東区民の方たちが担当しています。

パイロットからのコメント

(志望動機)
障害の状態が変化し、外出が徐々に困難になってきたため、在宅でできる仕事を探していました。
これまで、障害者の職域といえば事務職が大半というイメージを持っていましたが、接客業務でありながらリモート対応が可能なこの仕事を知り、とても新鮮に感じました。「このチャンスは絶対に逃したくない!」という思いが強く、迷うことなく応募いたしました。

(就労することでの日常の変化など)
希望に合わせたシフトで勤務できるため、通院などの予定と両立しながら働くことができ、日々の生活にメリハリが生まれました。また、接客時の話題に役立てようと、ニュースや流行に関する情報にも自然と関心が向くようになりました。

(一言メッセージ)
これからも、お客様に魅力的な商品をご案内できるよう、誠心誠意努めてまいります!

担当職員からのコメント

(今回の取り組みで大切にしていること)
一言で「障害等のため外出が困難」といっても、障害の内容や状況は人それぞれ異なります。
そのため、パイロット一人ひとりの障害や個別の事情に応じた支援を行うことを大切にしています。

(パイロットの変化)
社会人としての経験には個人差があったため、最初は接客にぎこちなさが見られるパイロットもいました。
しかし、皆少しずつ慣れていき、今では自信を持って接客している様子がうかがえるようになりました。

(るーくるを訪れた人の様子)
子どもたちはOriHimeに興味を持ち、よく話しかけてくれます。
一方で、忙しい世代の方々には、AIロボットが話しているように見えることもあり、通り過ぎられてしまうことも少なくありません。そのため、動きを交えながら積極的に話しかけるなどして、そうした方々の注意を引く工夫が今後の課題の一つです。

(一言メッセージ)
これからは、パイロットの卒業後の進路も視野に入れながら、事業を進めていきたいです。


 

注意:OriHime(オリヒメ)は午前11時~午後1時、午後2時~4時の4時間稼働しています。『るーくる』の開店時間内でも稼働していない場合があります。また、パイロットのシフトや体調等の事情から、前述の時間にも稼働していない場合があり得る旨、予めご了承ください。

【不安障害などの学生支援】「対面授業」が困難な時期は《分身ロボット》が代わりに出席 長崎女子短大

不安障害などで一時的に、対面授業に馴染めず登校が難しくなっている学生を支援するため、長崎女子短期大学は「分身ロボットOriHime」を導入しました。学生は自宅などからリモートで授業を受けることができるだけでなく、手元のスマートフォンを操作することで、OriHimeが教室で手を挙げたり、うなずいたり、拍手をしたりといった反応を示します。
従来のオンライン授業では一方通行になりがちですが、OriHimeが教室で反応することで、学生本人と教員、他の学生とのコミュニケーションが取りやすくなると期待されています。大学では来年度の本格導入を目指し、現在、実証実験を進めています。

導入のきっかけ

新型コロナ禍をきっかけにリモートでのやりとりが増えたこともあり、教員や他の学生と直接顔を合わせる授業に精神的な不安を抱える学生の姿が見られるようになりました。出席が難しくなり、休学や退学に至るケースもあります。そうした困難を抱える学生を支援しようと、橋本剛学長が着目したのが「分身ロボットOriHime」です。パソコンなどのモニター越しのやりとりと比べ、人間の形をしてリアクションができるため、学生がその場にいるかのような存在感を生み出します。手ぶりなど非言語コミュニケーションが可能なことも、会話が困難な時期を乗り切ることに役立ちます。自力での移動はできませんが、自力での移動はできませんが、周囲の学生がOriHimeを抱えて教室間を移動させることで、学生同士のつながりがより深まることも期待されています。

今後に向けて

まずは学生サポーターの協力を得て、すべての教室で安定して作動するかどうかなどを確認する実証実験からスタートします。今後は、希望者からの相談を踏まえて、授業への導入を進めていく予定です。
OriHimeを通じて出席することで、学生が少しずつ対面授業に慣れ、教室に復帰していけるよう支援することを目指しています橋本学長は「一時的に授業に来られなくても、学びをやめることなく、やめずにいられる短大を目指したい」と話しています。

取材を通じて

この記事をお読みいただいた皆さまに、誤解のないようお伝えしたいのは、長崎女子短期大学における本施策は、「対面授業が苦手な学生を集めるために用意されたものではない」という点です。あくまで、対面授業を前提とした(キャンパス型の)大学を選んだ学生が、もともと抱えていた、あるいは新たに生じた不安障害やパニック障害など、「どうしても対面での通学が困難な状況」を乗り越えるための手段として導入されたものです。その背景には、一時的な困難を乗り越えることができれば、再びリアルな学びの場に戻ってこられる学生もいるというが考えがあります。今回の取り組みも、そうした学生たちを支援するための施策の一つとして、実施していただいております。

【地域のソーシャルマインド醸成】分身ロボットがお出迎え

コミュニティ・バンク京信が運営する共創施設「QUESTION」1階のカフェ・バーでは、「さまざまな人が集まり、つながる場所」となることを目指して、多くの実験を行っています。今回は、コミュニティ・バンク京信での「OriHime」の導入のきっかけから、その活用方法についてご紹介します。

2023年12月 QUESTIONでキャラバンカフェをオープン!

2023年12月、当金庫が運営する「QUESTION」を会場に、「※分身ロボットカフェDAWN ver.β in Kyoto」を期間限定でオープンできないかというお話をいただいたことが、最初のきっかけでした。来店された方々は、分身ロボットを介してパイロットとコミュニケーションを楽しみ、テクノロジーによる新たな働き方の可能性を体感できる時間となりました。会期の終了が近づく頃には、別れが名残惜しく感じられました。

※分身ロボットカフェDAWN ver.β in Kyoto—-難病や重度障害などで外出困難な人が分身ロボットを操作して店員となる期間限定のカフェを2022年より全国各地で開催しています。

QUESTIONでの本格導入スタート

このキャラバンカフェをきっかけに、2024年8月より週に2日、OriHimeを本格導入することになりました。パイロットの方々には、QUESTIONに来訪されたお客様にお声掛けをするほか、「スナック織姫」というイベントではホストとして接客を行うなど、さまざまな形で仕事をしていただいています。現在、QUESTIONで稼働しているOriHimeパイロットの一人であるいずみさんは、生まれつき脊髄性筋萎縮症(SMA)を患っており、一日の大半をご自宅のベッドで過ごされています。しかし、わずかに動かせる指先と視線入力を使ってOriHimeを操作し、目線を合わせたり、声に合わせて身振り手振りをつけたりと、コミュニケーションを取りながら勤務をしています。いずみさんの今後の目標は、OriHimeを使って働ける場所を増やすことだそうです。
さまざまな人がつながるQUESTIONという場所で、毎日多くの方々とお会いできることを嬉しく感じているとのことでした。
 

職員の声

「人類の孤独を解消する」というビジョンを掲げるオリィ研究所の活動と、地域の問い(課題)の解決を目指すQUESTIONの活動に近いものを感じました。当たり前かもしれないですが、さまざまな理由で外出困難な方々と私たちが接する機会は多くありません。だからこそ、OriHimeを通じて繋がれた時の嬉しさや、新しい世界を知れた喜びが大きいと思っています。遠隔就労という新しい自己実現の形を、ぜひQUESTIONで体感してみてください。

「QUESTION」HP https://question.kyoto-shinkin.co.jp/

【東京都ソーシャルファーム認証店】働く人にとっても優しいカフェ

ソーシャルファームに挑戦するキッカケ

社会福祉法人つくしの郷では、障害者の就労の機会を広げるため、ジェラート&カフェのお店「あまーのあまーの北千住」を運営しています。障害当事者が街の中で「つながる」ことを大切にしているこのカフェは、専門的な支援を受けながら働くことができる「東京都認証ソーシャルファーム」の事業所に認定されています。

※「ソーシャルファーム」
就労に困難を抱える方が働く、企業の一つの形であり、一般的な企業と同様に自律的な経営を行いながら、就労に困難を抱える方が、必要なサポートを受け、他の従業員と共に働いている社会的企業のことを示す。

※「東京都認証ソーシャルファーム」
令和元年12月に全国初のソーシャルファームの創設の促進等に関する条例を制定。
条例に基づき設定した認証基準に適合していると都が確認した事業所のことを示す。
令和3年3月、初めて東京都認証ソーシャルファームが誕生した。

一緒に働く仲間について

カフェのスタッフとして、精神疾患を有する方3名と、難病の方1名が調理や接客を担当しています。出勤が難しい難病の方には、自宅から分身ロボットOriHimeを遠隔操作してフロアで接客をするという新しい働き方を導入しています。スタッフを採用する際、求人情報誌に情報を掲載したところ、応募が殺到したそうです。
店長さん曰く「スタッフの皆さんは、体調さえ整えば他の人たちと何も変わりません。どんなハンディキャップを抱えているのか、わからないほどしっかりと活躍してくださる戦力です。皆さんがこれまで抱えてきたハンディについて周囲に理解を得られなかったため、家に引きこもらざるを得なかったということに驚きました。」働きたいと思っている方や、高い能力を持っている方がたくさんいることを実感したそうです。

店舗内でのOriHimeの活用方法について

接客を担当するちふゆさんは、慢性疲労症候群という難病を抱えています。病気を発症して以来、働きたくても出勤できず、一日中自宅で過ごしていました。「社会から隔絶されていると感じたこともありました」と振り返ります。その問題を解決してくれたのが、自宅にいながら分身ロボットOriHimeを遠隔操作して接客をする新しい働き方でした。採用が決まってから、慢性疲労症候群に関する本を取り寄せ、スタッフ間で病気への理解を深めようとしてくれたりと、職場の人間関係の心地よさも大きな魅力だと言います。「皆、本当に温かくて、分身ロボットでできることを提案してくれたり、一緒に新しいメニューを考えたり仲間にしてもらえているという感覚は、すごくあります。」

今後の展望について

ソーシャルファームの特徴の一つは、社会的な取り組みを行いながら、行政の補助金に頼らず、事業からの収入で経営を成り立たせる「自律的経営」です。自律的経営を目指す以上、社会的な取り組みを行うからといって甘えは許されないと考えています。そのため、カフェの運営にあたっては事業計画を作成し、毎日売上を確認して分析しています。また、分析結果は新メニューの開発や広報活動に反映させるなど、スタッフとともに工夫を重ねています。ソーシャルファームとして運営するカフェを通じて、スタッフとして働く人々はもちろん、より多くの障害のある人たちが、さまざまな意味で活躍できるような店にしていきたいと考えています。

HP:https://amanoamano.jp/

【学校講演】「4つのバリア」について高校生と考える授業を実施

2025年2月上旬、雲雀丘学園高等学校の家庭基礎の授業を、※公認パイロットたちが担当しました。生徒たちは事前学習で、移動困難者が社会の中でどのような※バリア【物理的・文化的・制度的・心理的バリア】を感じているのかを各自で調べ、授業に臨みました。

※「公認パイロット」—–自宅から分身ロボット「OriHime」を遠隔操作しカフェで働く方の総称
※「移動困難者」—–障害、病気、介護、子育てなどの理由で外出が難しい方々
※「4つのバリア」—–政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201812/1.html

実施のねらい

  1. 移動困難者から直接話を聞くことで、対等な立場で働くための社会の課題に目を向ける。
  2. 移動困難者が社会と繋がり、就労している実例を知ることで、多様性を認め合い、バリアについて検討し、共生社会づくりの重要性を理解する。
  3. 授業全体を通して「ソーシャル・インクルージョン(すべての人を社会から排除せず、その社会の一員として認めるという考え)」について考える機会を提供する。
  4. バリアを取り除く手段として、工学の力を知る。

 
授業では、合計で5人のパイロットに登壇していただきました。障害を抱えながら働く大変さや制度上の課題、周囲からの理解が得られにくいもどかしさについて、当事者の視点からお話しいただきました。生活の中で制度が整っていないために、対等に働くことができない障害についても具体的に話してもらいました。また、未来に向けて自分たちにできることはないかと、生徒から積極的に質問が寄せられ、良い意見交換の場となりました。

生徒・教員からの声

体験した生徒からは、

「今日の話を僕たちから周りの人に伝えることで、OriHimeなどへの理解が深まり、障害を持っている方々を放っておかない、包括的な社会を作れると思う。」

「仕事をするだけでなく、OriHimeが街の中に溶け込み、自由に出歩けるような社会が当たり前になったらいいなと思う。」

「今まで、小学校のひまわり学級などで障害を持った方と接する機会はあったが、働くことについては想像できていなかった。しかし、そういう人たちも社会に溶け込める環境があることは、とても良いことだと思った。」

「将来一緒に働くことがあったら、【できること】と【できないこと】を決めつけないことが大切だと感じた。」

「今回、貴重な話や知らなかったことを聞いて、【僕たちが気軽にカフェに行き、家から出られない方と会話ができる環境】は、両者にとって貴重な場所であり、これからもっと身近になってほしいと思った。」

「テクノロジーの進歩により、障害がバリア(障壁)ではなくなる日が来ると感じた。」

などの感想が寄せられました。

また、担当教員からは、

「就労されている移動困難者との出会いを体験するという授業を初めて実施しました。今までお話しする機会がなかった方々と、OriHimeを通して交流することができました。今回【共生社会】の課題について、対等な立場で、これからの社会を考える意見交換ができたことは、生徒にとってかけがえのない体験となりました。この経験は、今まで気がつかなかった【バリア】について考える機会となり、生徒たちがこれからの社会づくりに必ず活かされることと思います。また、この授業は「HYOGOグローバルリーダー育成プロジェクト」の一環として行いました。ありがとうございました。」

といった声が寄せられました。

教育関係者の皆様へ

株式会社オリィ研究所では、すべての人が自分らしく活躍できる社会の重要性を、子どもたちが考えるきっかけを提供したいと考え、学校でのパイロットによる講演活動を開始しました。当事者であるパイロットから直接話を聞くことで、ダイバーシティ&インクルージョン(※今回の題材はソーシャル・インクルージョンです)について、子どもたちの関心を高める講演内容となっています。子どもたちが自ら考えるきっかけを提供できることを目指していますので、お気軽にお問い合わせください。

教育プログラムの詳細についてはこちら https://orihime.orylab.com/school-service.html

【特例子会社】週10~15時間程度の短時間&リモートでの活用事例

(今回お話しを伺った人)株式会社トランスコスモス・アシスト 業務サービス部 三橋 円

株式会社トランスコスモス・アシストはどのような組織で、障害者雇用においてどのような仕事をお任せしているのですか?

株式会社トランスコスモス・アシストは、トランスコスモス株式会社の特例子会社として、2005年4月に設立されました。知的障がい、自閉症・発達障がい、精神障がいのある方を雇用し、事務処理サービスを行っています。親会社トランスコスモスから各種データ入力や封入・発送準備作業、シュレッダー作業などの依頼を受け、当社内や親会社内で業務に対応しています。また、廃棄書類から作った再生紙を利用し、カレンダー・ノートなどの作成にも力を入れています。このような事務的職種には、自閉症や発達障がいの方の「特性」が適している仕事が数多くあります。

今回の取組(週10~15時間程度の短時間&リモート勤務)について教えてください

長時間労働が難しい方でも対応が可能な業務の創出を目的として、親会社トランスコスモスのノーマライゼーション推進統括部と共同でOriHime(遠隔操作ロボット)による受付業務をスタートさせました。2023年秋頃からトライアルを重ねて準備を進め、2024年7月にトランスコスモス「CXスクエア札幌大通公園」「BPOセンター札幌狸小路イースト」共用の受付に第一号のOriHimeを設置しました。当社と親会社所属の障がいがある社員で構成された受付対応チームが毎日交替でOriHimeを遠隔操作し、お客様の応対を行っています。現在は週10~15時間の短時間勤務の方が原則1時間交替で一日2~3回対応に入ります。静かな環境下での対応が望ましいため、特に短時間勤務者には社内ではなく自宅で業務対応をしていただいています。

── 受付対応のながれ

センター受付に設置されているOriHimeにチームメンバーが自宅から遠隔で接続し、カメラ・マイク・スピーカーを通して、お客様とコミュニケーションを取りながら受付対応を行います。その後お客様からお聞きした情報をセンター担当者にチャットですみやかに取り次ぎ、対応が完了します。

この取組を開始するにあたり、準備されたこと/工夫があれば教えてください

── ① 開始準備

まず、この取組の実施を判断するため、当社と親会社の既存社員によるトライアルチームを立ち上げ、オリィ研究所様のご協力も得て2023年から合計3回のトライアルを実施しました。そのなかでOriHimeによる対応方法や体制、ルールをブラッシュアップしていき、一定の運用目途が立ったことから、本格導入に向けて準備を進めることになりました。
採用活動に関しては、週10時間~15時間の短時間勤務者の雇用が初めてだったこともあり、ハローワークや近隣の就労支援機関にご助言をいただいて方針を検討し、開始しました。複数回の説明会を開催後、希望者にはOriHime操作体験の機会を設けたうえで選考を実施し、最終的に週10~15時間程度の勤務を希望する3名のメンバーが新たに入社しました。
実際の受付業務が始まる前には、応対マニュアルにしたがって何度もロールプレイを重ねてもらうことで、チームメンバーの不安を解消できるように準備しました。

── ② 業務開始後

業務対応時にはイレギュラーなケースでも対応者が困ることのないよう、相談役としてリーダーが同時にOriHimeに接続し、2人体制で遠隔対応しています(※「シフトイメージ」)参照)。体調不良などによる突発的な欠勤があっても、兼任者を含めたチームメンバーがバックアップに入れるように配置しており、安心して就業できる体制となっています。また、働きやすいチーム作りのため、それぞれの障がいや得意不得意、配慮してほしいことなどをチームメンバー全員で発表・共有する機会を設けました。自分だけでなく他のメンバーにも目を向け、お互いに力を発揮しやすい環境にしようという意識が高まったと感じています。さらに、お客様にもこの取組をご理解いただけるよう、OriHimeでの遠隔対応について受付内にご案内の看板を設置しています。

── シフトイメージ

この取組の社内・社外での反響/反応はどのようなものでしたか?

── 受付対応チーム内での感想・意見

まず第一に、OriHimeがとにかくかわいいという感想が多く聞かれました。それが魅力で求人に応募してくださった方もいました。既存社員のなかには以前からOriHimeに興味を持っており、障がいを持った自分がこの業務に携われることが嬉しいと言ってくれたメンバーもいます。それぞれがこの業務に意義や魅力を感じ、チームメンバーとして関わってくれているように感じます。開始当初はとにかく緊張感が強く、マニュアル通りに対応することで精一杯だったようですが、数ヶ月の経験を経て、メンバーそれぞれの個性が出る対応が見られるようになりました。相手や状況に応じて少しずつセリフや応対を変え、最適な対応を心がけています。現在はメンバーからの自主的な情報共有や提案もあり、チーム全体でのスキル向上が感じられるようになってきました。

── 社内外=受付に来られた方の反応・反響

開始当初はOriHimeへの戸惑いが見受けられることもありましたが、対応者のスキルが上がるのと同時にOriHimeを介した受付のスタイルが確立されてきたことで、現在は興味を持って質問してくださる方や、ご用件だけでなく二言三言の会話を楽しんでくださる方もいらっしゃいます。通りがかりの社員と挨拶を交わす場面も増え、社内外で受け入れられてきていることを感じます。

今後に向けての意気込み/新たな展望があれば教えてください

現在の受付業務は、私を含めた支援スタッフが管理を行っています。開始から約一年が経ち受付対応がスムーズに行われているため、今後は障がいのあるメンバーを中心として運営できる体制をつくりたいと構想を練っているところです。支援スタッフによるサポートは維持しつつ、障がいのあるメンバーがより一層活躍できるチームを作っていけたらと考えています。まずはその新たな体制のもとで、現在の札幌拠点における受付業務が安定して稼働することを目指します。さらにその先には、対応拠点を増やすことも視野に入れ、OriHimeを拠り所としてメンバーの活躍の場をさらに拡大できるよう、チームと業務の発展に向けて検討を進めていきたいと考えています。

OriHime接客で生産性向上を。_アドベンチャーワールド様

今回は和歌山県にある「こころにスマイル 未来創造パーク」のアドベンチャーワールド様にお話を伺いました。

「OriHimeで働く」

多様性を体現しているアドベンチャーワールド様にOriHimeの魅力を存分に語っていただきました!

OriHimeでテーマパークの接客業務を

── アドベンチャーワールドについて

アドベンチャーワールドは温暖な紀伊半島の和歌山県白浜町にある陸、海、空の約120種 約1,600頭の動物が暮らす「こころにスマイル 未来創造パーク」をテーマに掲げたテーマパークです。人間(ひと)、動物、自然を通して、 パークを訪れる一人ひとりが、前向きになるきっかけを創り、人生の未来へプラスの影響をもたらす存在でありたいと考えています。そして、笑顔あふれる明るい豊かな社会の実現に寄与し、いつまでも必要とされるパークを目指しています。また、ジャイアントパンダをはじめ、希少動物の繁殖に成功し、保護研究活動に努めています。


(左:パーク入口  右:レストラン入口)

── 導入理由「OriHimeでの接客クオリティ」

私達がOriHimeを導入した1つ目の理由は、OriHimeで働く分身ロボットカフェ DAWN ver.βのパイロットの働きぶりに感動したからです。今は日常的にパーク内レストランでの案内業務でOriHimeを導入していますが、はじめは、営業終了後にパークを貸し切り、障がいのあるお子さまとそのご家族を無料でご招待する「ドリームデイ・アット・ザ・ズー」というイベントでOriHimeに呼び込みや料理紹介の仕事をしてもらったことがきっかけでした。

その際、DAWNパイロットの「案内などのオペレーションスキル」はもちろん、「ゲストへのホスピタリティ」の高い接客を見て、これからも共に働きたいと感じ本格導入を決めました。

私達がOriHimeを導入した2つ目の理由は、オリィ研究所の想いに共感したからです。私達は「パークを訪れる一人ひとりが、前向きになるきっかけを創り、人生の未来へプラスの影響をもたらす存在でありたい」と考えており、そのビジョンにOriHimeはぴったりでした。そして私達の取り組む社会課題の解決に「OriHimeでの新しい働き方」から新しい価値、可能性を発信したいと考えました。

名前
DAWNパイロットさんの接客には本当に驚きました。本当にそこに本人がいるかのように色々な案内をしてくれるのでいつも助かっています。

OriHimeの活用法と導入メリット

── ご活用方法「レストランの案内業務」

OriHimeにアドベンチャーワールドの園内にあるレストランのJamboにて接客案内業務を任せています。店舗入り口にOriHimeを設置し、DAWNパイロットが遠隔地から操作する形で運用していて、業務内容として、空席状況の案内や整理券の発券、整理券をお持ちのゲストの対応などをしてもらっています。またこのようなオペレーション業務だけでなく、おすすめメニューのご紹介やレストランのコンセプトご説明などゲストの満足度を高める動きなど、AIには出来ない柔軟な対応をしてもらっています。


 
── OriHimeで生産性と顧客満足度の向上を

OriHimeを使い遠隔地にいる方が案内業務を担当してくれるお陰で、現場スタッフが他の業務にまわることが出来るようになり生産性が向上しました。OriHimeは人が操作しているので、対応に柔軟性があるため1ポジションを完全に任せることが出来きて大変助かっています。

OriHimeとの会話が生まれることでゲストの満足度向上にも繋がっていると感じています。OriHimeは見た目が可愛らしいので、ゲストがOriHime自体に興味を持って話しかけてくれます。入店までの待ち時間がゲストにとって楽しい時間となることは大きなメリットだと感じています。

OriHime導入のメリット
①生産性向上:OriHimeに現場スタッフ1人分の仕事を任せられる。
②顧客満足度向上:OriHimeのキャッチーな見た目と柔軟な対話で待ち時間のストレス軽減が出来る。

 

名前
完全に1ポジションを任せられるので本当に助かっています!OriHimeに任せられる分、現場スタッフが他の業務にあたることが出来て負担軽減に繋がっています。

 
── OriHimeの良い所

OriHimeを使えば障がいや病気など関係なく、現場スタッフと一緒に現場業務が出来ます。これが一番の強味だと感じています。今まで働きたくても働けなかった方々の働く選択肢が増やせること、それをアドベンチャーワールドから発信できることに大きな魅力を感じています。

またOriHimeは人が操作をしているので、パイロットごとの個性が感じられるのも良い点だと思います。そのため会話に「楽しい」が生まれ、ゲストへのアンケートの中でも「OriHimeの案内が良くて入店したよ」、「OriHimeとの話が楽しくて…」など沢山のお声を頂いています。

そのクオリティのお陰で、入り口業務をパイロットに完全に任せられます。現場スタッフの負担も軽減され、顧客満足度を上げながら生産性も上げることが出来ているので、いつも本当に助かっています。

OriHimeの良い所
①人が操作:操作者ごとの個性が光る、楽しいコミュニケーションが生まれる。
②業務完遂:AI等と異なり、柔軟な対応が可能であるため1ポジションの完結をすることが出来る。

 

名前

アドベンチャーワールド様の公式サイトでもOriHimeを紹介頂いておりますのでご覧ください!
そして是非、アドベンチャーワールドに遊びに行って、OriHimeとお話してくれたら嬉しいです!!!

むさしの病院での実験的OriHime導入!

むさしの病院様でのOriHimeご活用

2024年5月13日からむさしの病院様にOriHimeをご活用頂いております!

東京都小平市にある医療法人社団晃悠会 むさしの病院様は『医療に理想の「スピード」「コンビニエンス」「コミュニケーション」を。』を掲げ、地域に望まれる医療を実現するべく様々な先進的な取り組みをされている総合病院です。

このたび共に「あらゆる人が働ける社会」を作るべく、実験的にOriHimeを導入することが決まりました。

名前

総合病院でのOriHime活用はなんと「初」です!!

 
「OriHimeは病院でどのように働けるか」
まだ始まったばかりの取組ですが、早速お話を伺いました!

OriHimeについて

OriHimeはテレプレゼンスロボットです。人型のロボットであり、遠隔地にいる人とのコミュニケーションを可能にします。音声や映像をリアルタイムに伝送し、まるでその場にいるかのような体験を提供します。
この場に参加できない、遠く離れた仲間に簡単に”来てもらう”事ができる。それが「OriHime」です。

OriHimeの活用方法

OriHimeで病院業務にあたるのは分身ロボットカフェ DAWN ver.βなど全国各地でOriHimeを使って働くパイロットたち。
まずはこちらの3つの業務にチャレンジします!

名前

わたしたちは、OriHimeを操作する人のことを「パイロット」と呼んでいます!

 
パイロットが実際に働く分身ロボットカフェ。日本橋にありますので是非お越しください!

── 総合受付業務

病院に入ると、大きなロボット「OriHime‐D」がお出迎え。

病院入口すぐの所に「大きなOriHime」OriHime‐Dを設置し、受付の場所が分からない方など、お困りの方々にお声かけをします。

来院者が 初診なのか再診なのか 、それによって受付方法が異なるので迷われる方もしばしば。通常であれば現場職員が対応するところですが、むさしの病院ではOriHime‐Dを使って専属スタッフが遠隔で対応します。


 
── 院内案内業務

病院では不安にさせない。分身ロボットがご案内します。

会計機横にOriHimeを、待合スペースに「動けるOriHime」OriHime‐Tを配備し、会計方法がわからない方などお困りの方のご案内を行います。

会計方法は病院によって様々。体調が優れない中、自分で考えて会計まで行うのはなかなか大変という場合も。そんなお困りの方々に、パイロットが自宅からお声かけします。

名前

看護師経験のあるパイロットさんが患者様の病状に関する質問に答えてくれているのでとても助かります!

 


 
── 病棟業務

気配り目配りはOriHimeの得意分野です。
入院患者様のフロアにOriHimeを設置し、患者様の見守りやお声かけを行います。

OriHimeは首が動かせますので、遠隔で「好きな方向を自由に見る」ことが出来ます。なにかあった時も、なにもなくても話したい そんな時も、近くにOriHimeが居ることで本人も家族も安心して過ごすことが出来ます。

名前

今後は患者さまの食事中の見守りや話し相手としても働いてくれる予定なので楽しみです。

またOriHimeを通して患者さまとご家族を繋ぐ取組もしていきたいと考えています!

むさしの病院様のお声

名前

外来看護師です!OriHimeは見回りが出来るので、診察室前の廊下で迷っている患者さまがいないかどうか 見てもらえたら本当に助かるなあと考えています!

 

名前

いつも職員にも気持ちよく挨拶してくれて嬉しいです。気持ちが前向きになります!OriHimeだから出来る話もあるように思うのでこれからの活躍も楽しみです!

 

名前

想像していた以上に、OriHimeの声はしっかり聞こえました!これからどのような業務を一緒に出来るのかわくわくします。少しずつ業務の幅を広げ試してみたいと思います!

参加パイロットの声

名前

今まで「病院」は体調が悪いときに訪れる場所だと思い込んでいました。しかし、今は病院の職員として働けることがどれほどありがたいかを実感しています。

 

名前

体を動かして働いていたころは看護師として病院や会社で働いていました。
体調が悪化して動けなくなってから12年経ち、OriHimeを使用してまた病院で勤務できるようになったことが夢のようです。

 

名前

“地元で働く“ということは、簡単でむしろ恵まれているように見えて、私たち外出困難者にとってはその僅かな距離でも難しいことでした。ですがOriHimeであれば、そのみんなの当たり前にできることを私達も当たり前にすることが出来るので、それがとっても嬉しいです!

鳥取県教育委員会 OriHimeで学習保証を

今回は鳥取県教育委員会様にお話を伺いました!

鳥取県様には令和元年度から病気療養中の児童生徒の学習保障や円滑な復学のためにOriHimeをご利用頂いています!

「何故、OriHimeは児童生徒の学習保障に有効なのか。」

様々な事例も交えてお話頂きました!

OriHimeと学習保障

── 具体的なOriHime活用例

鳥取県では希望する公立学校にOriHimeを貸し出す「病気療養児の遠隔教育支援事業」を展開しています。
OriHimeの「離れた場所からでもコミュニケーションがとれる」という特徴を使って、

OriHimeの活用方法
  • 入院中の児童生徒が病室から授業等に参加
  • 病気療養中の児童生徒が自宅や病室から授業等に参加
  • 感染リスクが高く外出困難な児童生徒が自宅から校外学習に参加

 
など幅広いケースでOriHimeを利用しています。

名前

休み時間にOriHimeと他の児童生徒がいつものように仲良く話している様子を見ると、学習保障だけでない児童生徒自身のコミュニティ参加にも非常に役立っていると感じますね。

 

(鳥取県教育委員会 勝田様)
 
── 病気療養児×OriHimeの詳しい活用例

OriHimeを活用して授業参加している鳥取県の高等学校さまからもお話を伺いました!
鳥取県教育委員会から貸出という形でOriHimeを利用しています!

名前

教室にOriHimeを設置して、病気療養中の児童生徒がOriHimeを操作しながら、授業参加をしています。

OriHimeは病気療養中の姿を見せることなくコミュニケーションがとれるので、児童>生徒の精神的な負担感も軽減することが出来ます。

 

名前

聴講型の授業の他にもグループワーク型の授業でもOriHimeを使っています。

グループワークの授業も効果的で、OriHimeの音声だけでなくアクションでも意思表示が出来る機能はとても有効です。また三次元の存在感もあるので対面で行われる児童生徒同士の会話にもよく馴染み、助かっています。

OriHimeの良い所
  • 病気療養中の姿を見せることなく友達や先生とコミュニケーションが出来る
  • ジェスチャーで意思を伝えられる
  • 存在感があるので児童生徒同士の会話によく馴染む
  • 自ら操作して見たい方向を見ることが出来る
  • 画面拡大機能を使えば板書等を見ることが出来る
名前

OriHimeは操作も簡単なので、児童生徒もすぐに使えるようになりました。

このような授業参加がもっと広まってほしいなと思います。

 

高知県立大方高等学校 OriHimeで修学旅行に参加!

教育委員会 勝田様に聞く、OriHimeの魅力

── 学校に行きたくても行けない児童生徒への支援

病気や体調管理のため病気療養児には「学習参加の困難さ」や「体験機会の不足」があり、心身の発達、社会参加等に制約があります。
しかしOriHimeを使えば、病気療養中のため学校に行きたくても行けない児童生徒の支援が出来ると考えています。


 
── 病気療養中の姿を見せることなくつながれる
鳥取県では病気療養中の児童生徒にOriHimeを活用しています。自宅や病室からOriHimeを使っている児童生徒の中には自分の姿や自宅、病室の様子を見られることに抵抗感を感じる児童生徒も沢山います。

OriHimeはロボットとしてコミュニティに参加することで自分の姿等を見られず自然に空間を共にすることが出来るので、そんな児童生徒の大きな助けになっていると強く感じています。

── 児童生徒自身の参加意識が高まる

オンラインで授業に参加出来るツールは他にもありますが、なんといってもOriHimeの特徴は「見たい方向を見られる」「アクションにより存在感が増す」ことだと思っています。授業中は先生の方を見て、休み時間は話しているクラスメイトと目を合わせて話す、ということが出来るのでクラスを遠くから見ているのではなく児童生徒自身がクラスの中で学校生活に参加しているという意識を持つことが出来ているように思います。

── 今後の展望

授業参加の他にも、行事参加や校外学習、修学旅行など幅広く使っています。最近はOriHimeを導入している教育委員会も増えてきていると聞いています。「OriHime」の多様で効果的な活用方法を研究し、社会につながる子どもたちの育成につなげていきたいと思います。

保護中: OriHimeで会議に出席!?

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高知県立大方高等学校 OriHimeで修学旅行に参加!

高知県立 大方高等学校様の修学旅行で、オリィ研究所の分身ロボットカフェにお越し頂きました!

修学旅行に参加出来なかった生徒さまにもOriHimeを通じて参加してもらいましたので、その様子と合わせてご覧ください!

名前

『分身ロボットカフェ DAWN ver.β』とは、株式会社オリィ研究所が運営する、外出困難者である従業員が分身ロボット『OriHime』&『OriHime-D』を遠隔操作しサービスを提供している常設実験カフェです!

修学旅行向け「教育プログラム」

オリィ研究所では修学旅行向けの学習プログラムをご用意しております。東京駅からすぐの場所にある分身ロボットカフェでは外出困難な方がテクノロジーを使って働いており、生徒さまにそんな様子をご覧頂きながら障害当事者の講演や生徒同士のディスカッションに参加頂いています。

名前

教科書にも掲載されているOriHimeに触れて頂きながら、SDGsについて楽しく学習出来るオリィ研究所の教育プログラム。

 

↑ 講演では、実際にOriHimeで働いているコーキさんが、事故で中途障害を負った高校3年生の時から現在に至るまでの経験を、『過去は変えられないが、その意味は変えることができる』というテーマでお話しました!

名前

みんな真剣にメモをとりながら聞いていました。その後のミニディスカッションで感じたことを共有し学びを深めました。

OriHimeに触れた皆様の感想

── OriHimeで参加した生徒、岩村さんの感想

修学旅行に参加できなかった岩村さん。OriHimeを使って遠隔で修学旅行に参加しました!

名前

修学旅行には行けなかったけどOriHimeを使うことで、本当に皆と一緒にいるような感じがした。

 
OriHimeはスマホやPCでの簡単操作で、言葉を発したり、ジェスチャーで気持ちを伝えたり、ロボットの首を動かして好きな方向を見たりすることが出来ます。そのため操作する本人はまるで自分がその空間にいるかのような感覚でコミュニケーションをとることが出来ます。


↑ OriHimeを操作してクラスメイトと交流する岩村さん

── OriHimeと話した生徒の感想

名前

本当に岩村さんを目の前にして会話をしているように感じた。

名前

岩村さんが修学旅行に来れて良かった。一緒に思い出を作ることが出来た。

 
いま世の中にはたくさんのアバターがありますが、その多くは二次元です。二次元のアバターも気軽さなどのメリットがあり素晴らしいものですが、OriHimeには三次元のロボットとしての存在感がありリアルコミュニケーション空間に馴染みやすいというメリットがあります。

多くの学校が、OriHimeを使って
・不登校の生徒が、保健室から授業に参加
・病気で入院している生徒が、文化祭や卒業式に参加
・障害や病気のある生徒が、遠足や職場体験に参加
などの取り組みをしています!!

 
── 先生方の感想

名前

初めての取り組みだったがとてもスムーズに実施することが出来た。修学旅行に参加できなかった岩村さんが他の生徒と同じ空間を共有出来て、取り残され感を軽減することに繋がったと思う。

名前

OriHimeを使えば距離や制限がほとんどなくなるような共同体づくりが出来ると感じる。またOriHimeと接した生徒からは「OriHimeを使えばどんな仕事が出来るか」を考えたいという声もあがり、OriHimeを直接操作するわけではない生徒にとっても非常に良い学びの機会となると感じている。

 
OriHimeはカンタン設定で気軽に使うことが出来ますので、忙しい先生も負担少なく生徒の学習保証をすることが可能です。また、OriHimeが空間にあることで生徒がテクノロジーを学ぶ機会にもなるため、全国多くの教育委員会や学校で導入されています。

OriHimeの使い方

名前

多くの学校で導入されているOriHime。
学習保証やデジタル化推進、生徒のSDGs学習、さまざまなメリットがあります!

就労継続支援B型事業所 IMT

今回は就労継続支援B型事業所のIMT様にお話をお伺いしました!

IMT様はITと農業を掛け合わせた先進的な就労支援サービスを行っていて、OriHimeを使い重度身体障がいのある方が野菜の販売をしています!

そんなIMT様にOriHimeの魅力を語って頂きました!

就労継続支援B型事業所 でのOriHime導入

── IMTについて教えてください。

IMTは2023年の4月に開所した就労継続支援B型事業所です。私たちは、新しい就労B型の形を作るべく「IT×農業」をコンセプトとして、障がいのある方に「野菜の生産から販売を通じた就労経験」と、「日常生活を送るために必要な自立訓練」を行う生活支援サービスを提供しています。またパソコン、プログラミング学習を取り入れることで農業分野に限らず、IT・プログラムのスキルを身に付けていただく、就労支援サービスも行っています。

── OriHime導入のきっかけ

私達は新しい就労B型の形を作るべく、ロボットを活用した先進的な支援をしたいと考えOriHime導入を決めました。OriHimeは姿を見られず遠隔でリアル空間にアクセス出来るため、コミュニケーションにハードルを感じている方が就労をする後押しになると感じました。

OriHimeの活用と成果

── OriHimeの活用方法

OriHime就労など IT を柱に掲げて利用者の募集を行ったところ多数の入所希望がありました。そして開所後は事業所入口にOriHimeを設置し、重度身体障がいのある方に野菜の販売をしてもらっています。

また姫路市との共同事業でもOriHimeを活用して、障がいのある方に県外からの視察団対応を行ってもらうなどいつも活躍しています。

(参考) 姫路市 スマート市民農園事業

── OriHime導入の成果

OriHimeを導入することで他の事業所との差別化に繋がり、利用者の応募に繋がったのは非常に有難かったです。

また日々の就労でもOriHimeは役立っていて、重度身体障がいがあり出来る作業が限られている利用者の方もOriHimeを使うことで、野菜販売という接客の仕事を出来るようになりました。そのため事業所として提供できる就労の幅も広がりました。

そしてOriHimeでのロボット就労は注目を集めやすいため、野菜の販売をきっかけに事業所の認知してくれる方が増え、最終的に更なる利用者の増加にも繋がりました。

OriHimeの魅力と今後の展望

── OriHimeの魅力

OriHimeは操作が簡単なので障がいがある方でも使いやすいことは大きいですね。また、他のアバターと違ってロボットなのでリアル空間に馴染みやすく、利用者がその場にいるように感じられます。そのお陰で離れた場所からでも遠隔でコミュニケーションが取れるので、障がい福祉の事業所としてとても助かっています。

── 今後の展望

今後はOriHimeを活用して、事業所に来れない利用者の在宅就労実現を目指しています。そのためには超えなくてはいけないハードルはあるものの、他県では既にOriHimeで県を跨いだ在宅就労をしているとの話も聞くのでチャレンジしたいと考えています。

はっぴーすまいる ~オムライス×通信事業~

今回は群馬県前橋市にある「黄金オムライス×スマホの窓口」のはっぴーすまいる様にお話を伺いました!

はっぴーすまいるでは重度障がいのある萩原やよいさんがOriHimeを使って接客の仕事をしています!

持続可能なOriHime×飲食店の形を体現されるはっぴーすまいる様にOriHimeの魅力を語っていただきました!

はっぴーすまいる レストランでのOriHime導入

── はっぴーすまいるについて

はっぴーすまいるは、郡馬県産のこだわり卵を使った「黄金オムライス」と携帯キャリアショップの元スタッフである私の「スマホの窓口」を掛け合わせた飲食店です。実はこの店、一時休業していたことがありました。その時、重度障がいがありながらも、OriHimeを使って群馬県庁の雑貨屋さんで働く「萩原やよい」さんと出会いました。料理人になる夢を追いかけるやよいさんを見て、自分の夢に正直になっていいんだ、と一念発起し店をを再開しました。

── OriHime導入のきっかけ

はっぴーすまいるを再開するきっかけをくれたやよいさんの「料理人になる夢」を応援したいと思い、うちの店で接客の仕事をしてもらうことになりました。やよいさんは既にOriHimeでの仕事経験があったので、就労環境を作ろうとOriHimeの導入を決めました。

── OriHimeの活用方法

OriHimeを使ってやよいさんに接客の仕事をお願いしています。具体的には入口付近にOriHimeを置いて、お越しいただいたお客様をお出迎えしてもらっています。

お客様の反応も良く、やよいさんのおかげでお客様の笑顔が生まれていると感じています。はっぴーすまいるでは飲食事業だけでなくスマホ窓口事業も同じ店舗内で行っていて、こちらのお客様からも非常に好評です。

スマホ窓口のお客様には「私の夢を叶えるプロジェクト」として月々110円の支援金を頂いていて、それを毎月のOriHime利用料に充てています。

── OriHime操作者(やよいさん)のお母様より

やよいが働いて賃金をもらっているということが本当に嬉しいです。今までは人との関わりが学校や病院以外では少なかったですが、今は接客という仕事を通して色々な人と接することが出来ています。

やよい本人もはっぴーすまいるで働き始めて、自分の役割を得て自信のある表情に変わりました。「料理人になる」という夢に向けて、自ら学び、工夫するようにもなり、お客様に喜んでもらえるよう努力する姿にいつも刺激を受けています。

OriHimeを通して働くやよいの姿を見て「自分も出来るかも」「やってみたい」と思える方が少しでも増えたらいいなと思っています。

── OriHime導入の成果

OriHimeを導入することで、やよいさんの「料理人になりたい」という夢を応援することが出来るようになりました。またその影響でオムライス・スマホ窓口のお客様から支援の輪が広がり、今では各々の将来を語り合う「夢を語る交流会」を開催できるまでになりました。

飲食店、スマホ窓口、そしてやよいさんの夢。この3つがうまく絡み合っているように感じます。

── OriHimeの良い所

OriHimeの「存在感」はとても大きな魅力だと思います。やよいさんが自宅からOriHimeを操作していますが、まるで本人が店内で接客をしているように感じられます。またジェスチャーでの感情表現も良い所だと思います。

接客の仕事をするうえでは、OriHimeの首を動かして好きな方向を見れるのも便利です。店内を見回してお客様の様子を自分で確認してもらえるので助かっています。

── 今後の展望について

今後は新しいOriHimeスタッフにも入ってもらって更にOriHimeでの就労を拡大させたいと考えています。その時はやよいさんには先輩スタッフとして後輩指導してもらいたいなと思います。

DETファシリテーター 石川 明代 様

今回はDETファシリテーターとして活躍する石川明代様にお話を伺いました。

石川様はDET (障害平等研修)でのファシリテーター役としてOriHimeをご活用頂いています!遠隔地にいながら「まるでその場にいるような」感覚で行うOriHimeファシリテーターの魅力について語っていただきました!

DET ファシリテーター石川様のOriHime導入

── DET(障害平等研修)の活動内容について

世界39ヵ国で推進されている「障害平等研修(Disability Equality Training: 以下DET)」を、日本国内で実施し、「障害の社会モデル」視点を持つ人を増やし、たくさんの人が自ら「障害」を解決する主体となり、多様性に基づくインクルーシブな社会を実現するために活動しています。

DETのファシリテーターはDETを学んだ 「障害の経験を持つ者」である障害当事者が担っています。

── OriHimeの導入背景

DETでは多くの障害者がファシリテーターとして活躍しています。研修の実施先は学校や企業・行政の職員研修であることが多く、基本的に現地に行っての活動になります。そのためせっかくDETの資格を取得しても、病気の進行などで外出出来ず、仕事に行くことができなくなってきた方も多くいました。また重度の肢体不自由や精神障害のため外出困難な方は意欲があっても、研修現場に行けない状況でした。

── OriHime導入理由

SNSでOriHimeを知って、このロボットなら外出困難な方の分身となってリアルのコミュニケーションに溶け込むことが出来ると知り、これを使えば重度障害者でもファシリテーターの仕事ができると思いました。 私自身も脳血腫の影響で「いつ寝たきりになってもおかしく無い」と医師から告知されましたが、「寝たきりでもOriHimeを使えば、ファシリテーターの仕事は続けられる」と思い、生きていく希望になっています。自分自身が寝たきりになってもこの仕事を続けたく、また、同じ想いの人もいるだろうと、OriHimeの導入を決めました。

OriHimeファシリテーターの活躍

── OriHimeの活用方法

研修の際にOriHimeをグループワークのファシリテーター役として使っています。障害平等研修はグループワーク研修でテーブルに1台のOriHimeを置いて、障害当事者ならではの視点でファシリテーターをしてもらっています。この場面では精神障害があり外出が出来ない方がOriHimeを使って参加していました。

写真はDET研修を受講中の株式会社椿本マシナリー様の様子です!

── OriHimeファシリテートの反応

最初は「かわいい!」という反応ですが、1時間も経つとOriHimeが単なるロボットではなく完全に「ファシリテーターの〇〇さん」という認識をみなさん持ってくれます。OriHimeは物理的にそこにある存在感がありますし、顔も「誰にでも見えるようなデザイン」なので、本人として受け入れられやすいですね。

OriHimeを導入してみて

── OriHime導入の成果

OriHimeを導入したことで「今まで外出が出来ないという理由だけでファシリテーターの仕事を諦めていた方々」が活躍することが出来るようになりました。さらに外出困難な方だからこそ分かる視点でファシリテートしてくれるので研修自体のクオリティも上がりました。

実際にOriHimeファシリテートを受けた椿本マシナリー様の反応も非常に良く、研修も楽しく有意義なものになったと言ってくださいました。

── OriHimeの良い所

OriHimeの良い所はやはり「存在感」だと思います。遠隔でコミュニケーションをとれるアバターは沢山ありますが、OriHimeはロボットとしての物理的存在感があるのでリアル空間でのコミュニケーションに溶け込みやすいことが魅力的です。

あと、自分の姿を見られずに堂々とコミュニケーションがとれるというのも、精神障害などで対面での会話にハードルを感じる方にとって大きな助けになると感じています。

名前

障害とは何か?について、教わるのではなく「自ら考える」。参加者全員が研修前と研修後で考えが大きく変わっていました。
DET石川様×OriHimeファシリの研修が受けられるDETはコチラ

イチゴス横浜 ~バリアフリーないちご狩り農園~

今回は神奈川県にある「バリアフリーないちご狩り農園」ichigos YOKOHAMA – イチゴス横浜様にお話を伺いました!

イチゴス横浜様は「どんな人でもいちごを楽しめるように」と、障がいの有無に関わらず皆で楽しめるいちご狩り農園を運営されています。

自宅にいながらでもいちご狩り農園で仕事が出来るよう、OriHimeをテレワーク×接客ツールとしてご利用頂いております!

イチゴス横浜 いちご狩り農園 でのOriHime導入

── イチゴス横浜について

イチゴス横浜はどんな人でもいちご狩りを一緒に楽しめるようにと想って作ったバリアフリーいちご狩り農園です。もともと私達夫婦は看護師をしていました。そして重症心身障がい児者施設で働いていた時、出かけたくても出かけられない人がいるということを実感しました。そんな経験から、私達は障がいがあってもなくても一緒に楽しめる農園を目指しています。


オーナーの市村様ご夫妻
 

名前

園内のいちごは全て吊り下げ式の栽培棚で育て、足元に空間を作ることで車椅子の方でもいちご狩りを楽しめる!!そんなこだわりに感動しました…!

 

── OriHime導入のきっかけ

苗植え体験にOriHimeで参加してくれたお客様と接したことをきっかけにOriHimeを知りました。まるで農園に来てくれたかのように楽しんでくれているお客様を見て、これは面白いなと思い興味を持ちました。

そしてOriHimeカフェで実際に仕事をしている姿を見て、いちご狩りの説明役はOriHimeにぴったりだと思い導入を決めました。

名前

市村様ご夫妻にご来店いただいた分身ロボットカフェDAWN ver.βは東京の日本橋にあります!たくさんのOriHimeが働いているので是非お越しください!

 
── OriHimeの活用方法

わたしたちはOriHimeをいちご狩りの説明役として活用しています。来園されたお客様は受付で予約確認を済ませカゴを受け取った後、OriHimeの待つルール説明エリアに移動されます。そこで障がいや病気などで外出の難しい方が、遠隔でOriHimeを操作し、いちご狩りの説明をしています。

OriHime導入の成果

── お客様の反応

反応は良いですね。特にお子様連れのお客様はだいたい喜んでくれます。中にはOriHimeと話すことを前日から楽しみにして、OriHimeと話す練習をしてからいらっしゃったお子様もいました。当日は緊張してうまく話せなかったようでした笑。

大人の方も最初はAIではなく人間が中に入って話しているということに驚かれる方もいらっしゃいますが、それも始めだけで皆様しっかり説明を聞いてルールを守ってくださっています。

── OriHimeの良いところ

見た目が可愛らしいので、それがキャッチーで第一印象はとても良いです。

また人が操作しているので、一人ひとり操作する方によって声や仕草が違うことも良いところです。ロボットなのに人間らしさがあると言うのでしょうか、ロボットではなく本人がそこにいる感覚があります。

またOriHimeには表情がないので、中の人はいまこんな顔で話しているんだろうなと想像しながら話すことが出来るのもいいですね。

── 今後の展望について

農園に来れなくてもいちご狩りを楽しめるように、お客様にOriHimeで来園してもらえる仕組みを作りたいと考えています。

OriHimeは使い方に沢山の可能性があるので色々なことを試していけたらいいなと思っています。

 
ichigos YOKOHAMA– イチゴス横浜

公式HP:https://ichigos.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/ichigosyokohama/

国立研究開発法人「国立環境研究所」

今回は国立研究開発法人 国立環境研究所の五味 馨博士にお話を伺いました!

五味博士は「環境と社会の統合モデル構築を通じた、福島のまちづくり」について研究されています。シミュレーションだけでなく現場感も大切にするという五味博士、研究室に出勤しないことも多いそう。

出張が多い中でもスタッフとコミュニケーションがとれるようにと、OriHimeをテレワークツールとしてご利用頂いております!

国立研究開発法人 国立環境研究所でのOriHime導入

── 五味様の研究内容について

私はコンピュータシミュレーションを使って、脱炭素社会の実現に向けたまちづくり計画を考えるための研究を行っています。脱炭素社会とは、温室効果ガス排出量を大幅に減らし森林等の吸収量以下にして排出量の「実質ゼロ」を達成した社会のことです。この実現には長い時間がかかります。そのためどのような対策を誰がどれくらいいつまでにしなくてはならないのかを考えるためにコンピュータシミュレーションを開発して脱炭素社会を実現した将来像を描くという研究をしています。


国立環境研究所 地域環境創生研究室 室長 五味 馨 様

── 五味様が研究者として大切にしていること

私は研究をする上で「現地に行くこと」を大切にしています。私の研究はコンピュータシミュレーションをすることなので、PCがあれば出来ると言えば出来ます。しかし現地に行かないと分からないことは沢山あり、それをしないと頓珍漢なシミュレーションをしてしまうと考えています。そのため私はシミュレーション対象が遠方、それが例え海外であっても必ず現地に行き、現地を見て、現地の人と協力して研究することを心掛けています。

── OriHimeを知ったきっかけ

TwitterでOriHimeの情報を見たことがきっかけです。OriHimeに関するツイートが流れてきて、外出困難な方々がOriHimeを使って飲食店のカウンター業務をしている写真を見ました。その後も年末の年越TV番組にOriHimeで初詣をしている方が出ていたのを見たことも印象に残っています。

── 導入の決め手

OriHimeが対面とオンラインの中間の役割を果たすと感じたことが決め手です。新型コロナウィルスの感染が広がった時に我々もテレワークを始めました。研究室のスタッフは今まで基本出勤しての業務だったため急に全てをオンラインにすることは難しく、出社人数を減らすという方法でテレワークをスタートしました。OriHimeを使えばテレワークでもリアルに近いコミュニケーションがとれるのではないかと考えました。

テレワークツールとしてOriHime活用

── OriHimeの活用方法について

職場にOriHimeを設置して、私がフィールドワークに出ていたりテレワークをしている時に遠隔でスタッフとコミュニケーションをとっています。スタッフが私にちょっとした用事がある時にとても役立っています。オンラインMTGをする程でもないが、チャットや電話では伝えづらい話題の時のコミュニケーションツールとしてOriHimeはとても便利です。他にもリアルで行われている会議に参加したい時、私が職場の様子を見たい時など便利に使っています。

名前

新型OriHimeもご活用頂いております!

── 職場の反応について

職場の皆は、まるで私がオフィスにいるようだと感じてくれているようです。OriHimeは他のオンラインツールと違って、モノとして存在し身体性を持っているので遠隔でもリアル空間に馴染みやすくスタッフも気軽に話しかけてくれます。またOriHimeは首を動かして自分が見たい方向が見れるため、スタッフは紙の資料を見せながら相談が出来ることもとても便利だと話しています。目線を合わせて会話が出来ることも好評です。

── 導入後の成果について

OriHimeを導入して、遠隔でもリアルに近い感覚で職場とコミュニケーションがとれるようになり、テレワーク特有のコミュニケーションの難しさを緩和出来ています。私の研究室のようにテレワークや出張で不在のスタッフとの意思疎通が重要な職場では、遠隔でもリアル空間に参加出来るOriHimeはとても便利なオンラインツールです。

今後の活用について

OriHimeを福島県外の方に操作してもらって、福島を見てもらう取組がしたいと考えています。東日本大震災後、今も県内と県外では震災・原子力災害について関心や知識のギャップがあると感じています。テレビやインターネットだけでは分からないことが沢山ある一方、なかなかリアルでは福島を訪れる機会のない方々が多いのも事実です。OriHimeを使い、遠隔地からでもワープして、現地の人達と交流し、現在の様子を感じてもらうことでそのギャップを埋めたいと考えています。